今年の春、受験に失敗し大学に入ることを諦めた店員から。
「○○です。
お久しぶりです。
広告会社(看板等の製作)に就職が決まりました。
パソコンなど覚えること多いのですが頑張ります。
近くに来たのでオーナーに報告したかったのですが、不在だったのでメモ残していきました。
また近くに来たら寄ります」
彼は美術大学を目指し、1浪後うちに来た。
早朝をバイト費やし、午前から予備校へ。
ハードな受験勉強をしていたが、美大と言う狭き門に阻まれ不合格。
翌年は受験勉強に専念したがあえなく不合格。
今年、受験に失敗した際今後どうするのかじっくり話していた。
私が素人目に見た感じでも、絵に訴えかけるものがない。
素質の欠片でも見出せれば合格はするのだろうけど。
私の弟も絵の世界に16歳で飛び込み失敗し、引き篭もりになった。
だから、彼には同じ轍を踏んで欲しくなかった。
だからこそ、じっくり話して納得いく今後を生きて行って欲しかった。
彼に薦めたもの。
それは看板屋さんや広告業。
好きな絵を生かすことが少しは出来るだろうし、デッサンの力も生かせると思う。
何より、デザインや広告の色彩等の仕事に関わることで絵に対する自分の欲求を満たせるのではないか?と私は思った。
だから、薦めた。
私はそれしかないと思った。
それが嫌なら店長をしろと(笑
最初は
「商業的な絵は書きたくない。自分の求めるものを追求したい!!」
と行っていたが、仕事…お金を得るってことは嫌なこともしなくてはいけないよ。
と話していると、収入を得ることと夢を追いかけることの違いが分かり始めたみたいだった。
『もう一度、受験に賭けて親に迷惑かけるか?それとも自称芸術家で売れなくても食えなくても創作活動していくか?』
との問いに、
「これ以上は迷惑かけれません」
『じゃあ、バイトしながらもう一度受験するか?』
と問うと、
「そんなに甘いものじゃないことが分かりました」
『じゃあ答えはわかるよね?』
「迷いはありますが・・・」
『親に迷惑かけずに、自分の好きな道の仕事をする。ってことは絵を書くことに近い仕事をする事。それはデザインや広告等の会社しかないよ。そうしな』
「今は答え出せれませんが・・・ゆっくり考えてみます」
ハッキリ言ってこれほど他人の人生を左右するかのようなキッパリした答えを話したのは初めてだと思う。
なかなか相談を受けて「辞めろ」「続けろ」って言い切れない。
でも今回の話は弟と彼がダブったのか?言い切ってしまった。
私も友達に相談することがある。
今起こっている契約更改のことも相談したが、決して決断を他人にゆだねているわけではない。
同意を得られれば自分の考えの自信になるし、否定ばかりされれば考え方違うかな?って考えなおすだけ。
最後の決断は己。
そこで決めれるのは己だけ。
相談は参考に、決断は自分でするもの。
彼はそれが分かる人間だと思ったから、この仕事をしろって決め付けて言ったし、彼もそれしかないっと思ったから決断したのだと思う。そう信じたい。
彼の今後の活躍を願うし、報告にきてくれたこと嬉しく思います。
頑張れ!!