コメの価格を本気で下げる気はない!~金田一の特別コラム



※スーパーに並ぶ外国米 写真KCR総研
コメの店頭価格が16週連続で値上がりしている。昨年から続くコメの高騰。重い腰を上げた政府備蓄米放出も、現状を見る限り、ほとんど効果は無く、この先もコメの価格が下がる気配はない。
私は、コメの高騰がいよいよ倍値となった昨年9月に、令和のコメ騒動の責任は誰にあるのかを問うたが、そこから事態は、改善するどころか悪化の一途を辿っている。
「金田一の特別コラム~コメ不足は誰の責任か!?」
https://ameblo.jp/kcr-inc/entry-12867186127.html
農林水産省が4月30日発表した政府備蓄米の小売業者への出回り量は、2回目放出までの備蓄米21万トンに対し、1.4%に留まった。何でも、落札したJAなどの集荷業者は卸売業者から出荷依頼があると、備蓄米を管理する国に改めて買い受けの手続きをせねばならず、その煩雑さから小売りに届くまでには時間がかかるという。
しかし、あまりにもお粗末な顛末に、やはりコメの価格を本気で下げる気はさらさらないのだなと勘繰ってしまう。
実際、高すぎると思っているのは、消費者である国民だけで、農水省、集荷業者、卸売業者、そして小売店、当然生産者も、ようやく思惑通りのコメの値段になったとほくそ笑んでいるように感じられる。
モノの値段は、基本的に需要と供給で決まる。現状の需給は、どうみても供給が不足しており、だから国は渋々、備蓄米を放出したのだろう。しかし、昨年の消えたコメ21万トンだけを考えてみても、十分な調査をしたといはいえない。
一説には、コメの高騰を受けて、消費者が、家庭で半分は備蓄しているというが、残りの半分ははっきりしていない。しかし、コメが消えるはずもなく、どこかの倉庫に眠っていると考えるのが本筋だろう。
国は、調査を深堀することなく、備蓄米放出に踏み切ったが、先述したように店頭流通は、未だ1.4%と、あきれた数字で、流通はともかく価格は下げたくない本音がすけて見える。
そもそも備蓄米放出も、価格に訴求するのであれば、市場を冷やすために一気に30万トンぐらい放出する必要があるだろう。それを、ちまちま10万トンづつ、時間をかけて放出しているのだから、これだけでも国の姿勢が分かるというものである。
この令和のコメ騒動だが、いったい価格はどの辺で落ち着くのだろうか。この鍵を紐解くのが、輸入米の価格だと私は思う。現在、コメは聖域として、1キログラムあたり341円の関税が課けられている。
にもかかわらず、現状、主食用の外国産米の民間輸入が急拡大しており、主要商社・コメ卸だけで24年度の20倍前後に達する見通しだという。現状、米国産がほとんどだというが、最近は、韓国産など隣国のコメも個人輸入などが急拡大しており、これまで食べたことがないコメが輸入され食されはじめている。
トランプ関税の切り札として、ミニマムアクセス以上のコメの輸入拡大を叫ぶ声が上がる中、農水省は、真っ先にその方向性を否定しているが、小売りの店頭価格で、関税を払ってでも外国産米が5キロ1000円以上もの差の値段で並ぶ現状を見る限り、こうした外圧に押され、徐々に価格は沈静化する方向に向かうのではないだろうか。
私はまだ食していないが、炊き方を工夫すれば国産と分からないほど、美味しいとのコメントも多数目につく。価格つり上げが、かえって外国米の味を知るきっかけになり、国産米離れが起きるとすれば、これほど皮肉なことはあるまい。
金田一拝