なかったことに!?明治神宮外苑開発問題~金田一の特別コラム | KCR総研代表 金田一洋次郎の証券アナリスト日記

なかったことに!?明治神宮外苑開発問題~金田一の特別コラム

 明治神宮外苑開発問題!坂本龍一さんらが、異を唱えていたが、何事もなく開発が進んでいるのが不思議でならない。この流れを受けて、歌にしたサザンオールスターズ「Relay~杜の詩」はヒットするも、こんな歌今流されてはと紅白にも呼ばれなかったのかどうかはわからないが、この開発!

 昨年の9月には、ユネスコ諮問機関であるイコモスも異議を唱え再開発の中止を求める警告「ヘリテージ・アラート」も出されている。諸外国も事態の推移に関心があるという。

 外苑の開発を担うのは、明治神宮、三井不動産、伊藤忠商事、JSC(日本スポーツ振興センター)の4つの事業者と認可を出す東京都である。

 文化人や著名人、何より住民の反対を押し切って、工事が粛々と進んでいるのは少々驚いた。

 この問題があっても、現職知事は、あっさりと認可をし、再開発を認めること、つまり1000本以上の木々を伐採することを認めている。この点は、本年7月30日に任期満了に伴う都知事選の争点となると思っていたが、あっさりと、問題はなかったこととされ、もはや外苑の公園は塀で囲まれ入れなくなってしまっている。

 確かに、神宮球場や、秩父宮ラグビー場は老朽化が激しいのは分かる。しかし、逆に歴史的建造物として価値があると耐震関係も含め改修で事足りると、建築家の団体は、秩父宮ラグビー場と場所を交換せず現在の位置での改修を求めている。

 明治神宮外苑は約100年前に、「永遠の杜」である神宮内苑の対になる「開かれた庭園」として、国民の寄付や奉仕活動で明治神宮に管理を任せた経緯がある。明治神宮は、外苑の収益で潤っているのが実情で、開発には、商業主義の色彩が色濃くにじむ。

 この3月には木々の伐採が始まるという。神様に仕える神社が、ソロバンをはじくのもどうかと思うが、なかったことにと粛々と進む構図は、誰のための開発計画なのかは明らかになったと思う。

(撮影は全てKCR総研)




多分、伐採されるであろう大量の木々の公園には白い壁で覆われている。


























 イチョウ並木は残すというが、ギリギリまで建物が立つため、何らかの影響があると専門家は唱えている。




青山霊園から伊藤忠商事東京本社を臨む。伊藤忠は、現状より100メートル高い190メートルの本社ビルを建てる予定。
 




 伊藤忠本社前のSDGsの文字が虚しく見えるのは私だけ!?

金田一拝