日本はイスラエルに直接即時停戦を求めよ! | KCR総研代表 金田一洋次郎の証券アナリスト日記

日本はイスラエルに直接即時停戦を求めよ!

 イスラエル情勢が深刻化している。米国の顔色ばかり窺っている日本は、独自の外交でイスラエル側に直接即時停戦を求め、事態の鎮静化に努めなければならない。

 人道的観点からだけではない。事態が深刻化すればするほど、第5次中東戦争の恐れが出てきているからである。無論、その敵手は、イランということになる。

 国連では、米国は再三、拒否権を使って、事態の深刻化を助長しており、あまっさえ武器も積極的にイスラエル側に供与している。既に死者は2万人を超え、そのうちの大半が女性と子供であり、国際社会の衆目の中での狂気に怒りで声も出ない。

 何でもイスラエルという国には、全世界に同情されながら滅亡するよりも、全世界を敵に回して戦ってでも生き残るということを国是にしていると聞く。ホロコーストなる600万人もの大量虐殺の歴史を持つユダヤ人からすれば、紛争による2万人程度の殺戮は何とでもないということだろうか。

 現代世界において、本当に全世界を敵に回して、生き延びることができるだろうか。ガザ地区の人々にとっては、ハマスだけが生きる希望に見えているのではないか。これ以上、殺戮を続ければ、米国すら国際世論を抑えきれなくなるだろう。

 それ以上に、日本にとって不都合なのは、イランが本当に動き出したときである。ガザの現状からみて、イスラエルを停戦に引き出すために人道主義の大義名分から乗り出す可能性は大いにあるし、まずいことに中国の仲介で、イランは、サウジアラビアと国交を正常化したばかりである。

 唯一の救いは、米国と中国が、冷静さを失わず、それぞれのお家の事情もあって、トップ同士が握手を交わしたことである。しかし、それでもサウジなどのアラブ諸国は、イスラエルを国家として認めていないだけに、積年の恨みからいつ何が起こってもおかしくない。

 第5次中東戦争ともなれば、日本への打撃は計り知れない。人道主義的観点からはもちろんのこと、今なお、原油が主力エネルギーの日本にとっては、米国の顔色ばかり窺う外交ではなく、直接アラブ諸国とも真の友人であるという態度を見せることが、今こそ最も大事な時であるように思う。

金田一