その才能を否定してはいけない! | KCR総研代表 金田一洋次郎の証券アナリスト日記

その才能を否定してはいけない!

 どの国でもそうだが、発展する国とそうでない国は、何が違うのだろか。政治か。確かにそうだ。政治家の責任は重い。彼らには、一般人にはない権力という怪物を持っており、この怪物の力の使い方を誤れば、その国の行く末は、歴史が証明している。

 思うに、官と民、どの国であれ、官がなくては国家は成り立たない。無論、民なくして国も立たず。この当たり前のことの両立が成り立つか、成り立たないかが重要と考える。

 官たる官とは何か?民たる民は?この大原則を、人々が混同しているから何かが大きく間違って、今の日本があるような気がする。

 それでは、官と民の違いは何か?民とは何か?民として、全ての民が考えていることは、今日1日の糧、ではないだろうか。どうやって稼いで生きていくか。この問題は、全ての民に伸し掛かる大きな人生の問題である。

 一方の官はどうか。今日、食べることは考えていないのが本音ではないだろうか。今日の糧は、民が補ってくれる。我々は、民が、しっかり働くように監視すればよい。こう考えているのではないだろうか。

 魚は頭から腐るというが、紛れもなく頭の部分は官である。国の頭を司り、民を統制する役割を果たしていることは間違いない。

 しかし、官たるもの民の行いに対し、厳正に対処することはもちろんだが、嫉妬や嫉みがあってはいけない。民は、民なりに生きるため、それぞれ工夫をこらして生きている。その才能を決して殺してはならない。

 そこから、大成功を収める民が出てくることは世の中の必然である。民の素晴らしいことは、人に頭を下げていることである。どのような民であれ、必ず、生きていくために頭を下げる。

 この民では当たり前のことができていないのが、今の日本の官ではないだろうか。官は、いったい、どこを向いて仕事をしているのだろうか。

 民があるからこそ国があり、官が無ければ国は成り立たない。無論、世界から見れば、そこは、国と国の戦いであり、共栄の場所でもある。

 官と民の在り方を、今一度、見つめ直し、それぞれの役割を果たすことがこの国の発展にとって重要と考えるが、今の日本には、この原則が大きく欠けている気がする。

 この国に生きる日本人としての誇りとは何か。自分自身でも問いたいと思う。

金田一