宗教法人に透明性を! | KCR総研代表 金田一洋次郎の証券アナリスト日記

宗教法人に透明性を!

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 安倍氏の銃撃事件から1週間がすぎた。この俄かに信じがたい事件は、その犯行の動機から思いがけない方向へ向いている。

 政治と宗教の問題は、当たり前の話だが、今に始まったことではない。言い換えれば、信仰と政治は深く結びついており、それが故に、国家間、民族間の争いの火種になっているとといっても過言ではない。

 どの国の歴史を見ても、君主や頂点に立つ政治家が、もっとも恐れるのが宗教であり信仰である。この人間の心に巣食う目に見えない信仰という概念は、時には人を救い、またある時には人を滅ぼす。全世界が、この繰り返しを常に行っている。歴史が証明している以上、目に見えない信仰に縄をかけることは不可能である。

 この問題に対し、現代社会において人間は様々な工夫をこらしてきた。わが国では、憲法で政教分離を謳うが、世界を見渡せば宗教が国家となっているバチカンのような例もある。

 私自身も特に傾倒する宗教的考えもなく、日本人の多くが無宗教というが、報道で知る限り、銃撃事件の犯人の母親の不幸な境遇を考えると、人間誰もが、弱く、そのような状況に陥れば、何かに縋りたくなるのは無理もないと思える。

 しかし、一国の元首相が、暗殺された背景に宗教が関わるとすれば、この問題は、看過することなく、国民的議論にもっていかなければならない。果たして、今後、このような悲劇を生まないために、宗教による政治利用、政治による宗教利用を避けるためにどのような方策が考えられるだろうか。

 また、カルト的な宗教と、そうでない宗教をどうやって見分けたらよいのか。新興宗教にはカルト的なものが多いような気もするが、信者から寄付をもらう仕組みそのものは、全宗教において、そのシステムは一緒であり、決め手にはならない。

 思うに、宗教法人の不透明性が、物事の根本にあるような気がする。宗教法人の決算は法律で決められているが、その財産目録などは、調べた限り、その宗教法人の信徒でなければ閲覧できない仕組みになっているという。しかし、何故、そうなっているのか。私は、NPO法人の理事長を務めているが、NPO法においては、決算は、全国民の白日の下に晒されている。

 こうした宗教と政治の癒着を少しでも緩衝するには、宗教法人の会計をNPO法人並みにしていくのが解決の第一歩と考える。非課税の恩恵を受けている以上、宗教法人といえど会計等、最低限の開示義務を負わせ、その実態を白日の下に晒す。

 政治と宗教を深く癒着させているのは、結局は、そこに流れる金である。金の流れをできる限り透明にしていき、多くの国民監視のもとに運営することで、こうした多くの悲劇を防ぐことができるような気がするのだが、如何なものだろうか。

金田一