ウクライナ有事は日本の有事 | KCR総研代表 金田一洋次郎の証券アナリスト日記

ウクライナ有事は日本の有事

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 台湾有事は日本の有事は、前線となるのが日本の目と鼻の先なのだから、言わずもがなであるが、ウクライナ有事は日本の有事と考えている日本人は少ないのではないか。

 しかし、ロシアと隣接するヨーロッパ諸国は、当然、この問題を無視はできない。ところが、ウクライナは、EUに加盟をしていない。従って、EUは表立ってこの問題に正面から取り組むことはできず、むしろ、かやの外に置かれてしまっている。

 ロシアが意識しているのは、当然、米国ということになるのだが、バイデン大統領は、ロシア侵攻の可能性を高く示唆しているにも関わらず、相当な手詰まり感を感じているように見受けられる。

 現状において、様々な報道がなされているが、私自身は、総合的に勘案して、ロシアは、間違いなくウクライナに侵攻すると見ている。それも、早ければ1月中にだ。それほど、事態は緊迫していると言っていい。

 現在、欧米は経済制裁の準備をしており、それ以上でもそれ以下でもない。仮に侵攻した場合、ウクライナ軍との戦争になることは間違いない。しかし、ウクライナ国民自身も一枚岩ではない。ご存じのようにウクライナ東部は親ロシア派が多い。ウクライナ現大統領ゼレンスキー氏と前大統領ポロシェンコ氏は、同じ親西欧路線だが、ポロシェンコ氏は、ロシアとの交渉において現政権を「弱腰だ」と批判しており、政敵となってしまっている。

 国内に問題を抱え、EUにもNATOにも加盟していないこのチャンスをロシアのプーチン氏が見逃すわけがない。どのような経済制裁が用意されていようとも旧ソビエト連邦帝国の再興を夢見る彼に対しては、聞く耳は持たないのではないだろうか。

 果たして、ロシアが進行した場合に国際情勢はどうなるのか。ユーラシア大陸におけるヨーロッパ州の秩序と安定が大きく崩れ始めることは間違いない。西に大きく傾きかけていたウクライナが、ベラルーシのように親ロシア派となれば、西側ヨーロッパ諸国にとって、悪夢以外の何物でもない。ウクライナが、このままNATO加盟、EU加盟となれば、プーチンの夢見るロシア帝国再興はない。必ず、侵攻する。

 その時の国際情勢の混乱はいかばかりか。まずは、エネルギー価格の高騰が考えられる。平和的に制圧できればいいが、そうはならない。武力闘争になれば少なからず、難民も出る。アフガン同様、日本から遠く離れたところなので、日本人はピンと来ていないかもしれないが、侵攻して何もできない米国を中国はどのように見るであろうか。台湾有事への布石ともなる世界事変ともなるかもしれないのだ。ウクライナに侵攻すれば、プーチンの腹は、見えたも同然であり、そのしたたかな戦略は、現状の世界安定、秩序にいさかかも責任を負うつもりはないことは明らかである。北方四島返還など、夢のまた夢と考えていい。

 ウクライナ侵攻は、世界の株式市場に大きく影響し、波及する。そうならなければいいが、その可能性はとてつもなく低いと感じる。

金田一