結構面白いコメント頂きました | KCR総研代表 金田一洋次郎の証券アナリスト日記

結構面白いコメント頂きました

最新の金田一ブログ 09年11月8日


前回の私の「取材OK企業と取材拒否企業」のブログに結構面白いコメントが来た。


このブログでは皆様のコメントを公開していないので、ざっと要約を紹介すると


1、取材拒否を受けているのは当社が東証1部上場企業に相手にされないから。だから新興企業を相手にしている。


2、取材OK企業には甘くレーティングをしている。取材拒否企業には厳しく公平ではない。


3、KCR総研は、issuer-paid researchの域を出ていない。


4、日本では検定会員が正式アナリストであり、KCR総研&金田一はもぐりではないか。


とまあざっとこんなところである。弊社のメルマガ会員にはコメント主のお名前はないので仮名かもしれないが、同様の誤解があるといけないので以下、公開コメントをしたい。


まず、1のアナリスト取材拒否云々であるが、東証1部上場企業に相手にされないとは何を根拠に言ってるいるのだろうか。弊社のアナリストレポート一覧を見てもらえれば東証1部上場企業もたくさん書いてるし取材もしているのだが・・・・只、KCR総研では、個人投資家の資産形成には成長余力のある中小型株投資の方に魅力があると考えており、あえて大手証券会社がカバーできない企業をカバーしようと努力している。しかし、上場企業という観点からは、東証1部であれ、新興市場であれ、本来アナリストカバーはなされるべきであり、新興市場や2部市場にはしっかりとしたいい会社はたくさんある。コメントの主は新興企業にいささか偏見があるのではないかと思う。



2の取材OK企業には甘くしているというのも何の根拠からそう言っているのか。弊社のレポートを全部読んでからコメントしてほしい。定量分析など甘くしようがない。拒否企業は、定性分析に正確さを欠くため取材をお願いしている。拒否企業でも好業績・株価等が割安であれば高いレーティングが当然つくことになる。


3に関しては、どうして弊社がissuer-paid researchの域を出ていないのか。独立系として個人投資家に販売しており、個人投資家のためのファンド運営も系列投資顧問にて実施している。レポート制作は科学的分析に基づいて実施しており、弊社のレーティングがissuer-paid researchにて影響を受けることは絶対にないと断言できる。また発行体のファイナンス業務とレポートは全く関係がない。米国では、ここ数年で投資銀行業務とアナリスト活動を規制する動きが盛んになり、ようやく弊社のような独立系が活躍する素地ができつつある。日本は、一昔前の米国のようにまだ引受・IR・リサーチ体制が大手総合証券が一括して実施する体制が続いており、独立系調査会社は皆無に等しくこっちのほうがよっぽど問題である。


4に関しては弊社は、(社)日本証券アナリスト協会の法人賛助会員でもあり、私自身無論、CMA(検定会員)である。平成5年に2次試験に合格し資格取得しているのでかれこれ16年以上になる。まだまだひよっこだとは思い反省の日々であるが、世間一般からみればベテランのキャリアになるのではないだろうか。


最後に強調しておきたいことは、KCR総研は日々業務を通じて優良かつ割安な企業を探しているということである。優良で成長余力を秘めた企業を高く評価することは資本市場の効率化に繋がりひいては我が国経済の発展につながる。新興企業に不祥事が多いのは弊社のようなアナリストカバーをかける企業が少ないことと必ず因果関係があるように思う。信用は弊社を活用していただいているお客様が決めることである。独立系が調査を続けるということは大変な労力が必要だが、これからも地道に個人投資家のための調査活動を続けていきたい。


                                                               以上