彼の浮気

それは 

彼にとって 私は醜い人間なのか


それとも

 

私にないものを 誰かに求めている 探している 


と思っていた

 

そして それ以上に


不倫の前も後も


私から 彼から 離れようとしない

 

あすかの心理が 判らなかった


知りたかった――――

 

 

 

 

「私だけ、私一人だけが 傷ついている・・・・・・」

 

 

 

これが あすかなんだ――――

 

 

 

  

呆れてしまった  幼稚すぎる

 

 

   

 

あすかは 


少しだけ お金を持っている男に 女に 近づいて

フェロモンを振りまき 食する

あすかの不倫は 愛情云々ではない

お金とセックス それだけ・・・・

 

人から与えてもらえるもの 

 

お金とセックスが なくなったから 

 

傷ついている 苦しんでいる 

 

あすかは 悲劇のヒロインに なりきっている


愛に 傷ついた女を 演じている

 

 

 

 

私は 今まで 憎しみという感情を

 

表に出すことはなかった


常に 心の奥底に 必死になって封じ込めていた

 

もう、いや! ばかばかしい 

  

 

 

 

私は あすかに向かって

 

 



「もう、終わってしまった事?

 

もう、誰も何も 言わない? 


傷ついてのは あなただけ?



 

 

そう・・・・・・・・・・・・・


 

 

 

あなたは 傷ついてなんかいない!


あなたは 楽しい事が終わっただけ!


それだけよ!

 

 

 

私や K氏の奥様は 傷ついていない?

 

 

 

あなたのご主人は?

 

 

 
ご主人は

 

もう、終わった事だから いいよ~って


言ってくれるのね~ 

 

許してくれるのね~

 

 

 

じゃぁ、私が この一年間背負ってきたものを


今度は ご主人に お渡しないといけない


私には もう重すぎるもの・・・」

 

 

 

 

あすかの目が 恐ろしくなっていた

 

私は すぐさま その場を去った




真夏の炎天下

 

日陰となる場所など なかった


ブラウスから出ている皮膚が


赤く火照り 全身が汗びっしょりとなっていた


1時間後


ようやく 玄関のドアが開いた


会社の携帯電話を 片手に持ったあすかが 現れた

 

 

 

 

あすかは


無造作に携帯電話を差し出した

 

私は 受け取った

 

 

 

 

この時、私は


これで すべてが 終わった


あすかとは もう関わらないだろう


関わりたくない 終わりにしたい 


と 考えていた

  

 

 

 

そして 


あすかに・・・・・・

 

 

 

  

「いつまで こんな田舎に 居るつもり?


あなたの実家 ご主人の実家

 

ご主人の勤務地からも遠すぎる


ここには いつまでも居ない方がいい


ご主人も 勤務地に出来るだけ近い場所を 望んでいるのでしょ


ご主人のため 子どものために あなたのためにも

 

この地からは 早く離れるべきよ!

 

今なら まだ―――」

 

 

  

 

私は 


最愛の言葉? を


かけたつもりだった

 

 

 

 

が、


あすかは


私の言葉の意味を 理解しなかった

 

 

 
 

真夏の平日


田んぼの中にあるアパートの駐車場


私とあすか以外 誰一人 人の姿はない 

 

あすかは 怒りが頂点に 達しているかのよう

 

大声で叫び 怒り出した

 

 

 

 

「私は ここを離れたりしない


私は とても 傷ついているの


私一人だけ 辛い思いをしているのよ

 

それに 

 

あなたのせい 


あなたたちのせいよ

 

許せない・・・・・・

 

K氏と 終わった


K氏と 終わってしまったのよ

 

終わってしまった事を 

 

今更 

 

誰がなんと言うのよ!!!」

 

 

 

 

これは―――

 

私とあすか 


女の戦いの はじまりだった。


 

玄関先に立つ私

 

 

 

 

あすかの目は

 

なぜ? 何のために? なぜここをしっているの?


許せない!


と  攻撃的だった

 

 

 

 

私とあすかは

  

しばらくの間 見合っていた


 

 

 

私は


「会社の携帯を 返して下さい」


と 切リ出した・・・・・・ 

 

 

 

 

あすかは 視線をそらし


鼻先でせせら笑った


「携帯? 携帯は解約すれば 済むことでしょ!」


と 一言!!!

 

 

 

 

やっぱり―――

 

 
 

 

想像していた通りの返事が帰ってきた・・・・・・

 

 

 

 

私は 平然と


「それは違う! 携帯は会社の備品。


会社の備品を 勝手に持ち去るのは 犯罪。


解約すれば済む事とでは 終わらない!」


と 答えた・・・・・・

 

 

 

 

あすかの顔色が変わった


 

 

 

あすか : 「じゃぁ、明日にでも 郵送します」


 

私 : 「いいえ、会社の備品は 今、返してもらいます」


  

あすか : 「じゃぁ、1時間 1時間後に返します」

  

 

 

 

あすかの表情は 憎悪に満ちていた

 

 

 

 

私は 真夏の炎天下の中


携帯を持ち帰るために


1時間 待った――― 

 


15分程 車を走らせた


あすかの家に着くまでの間


私の脳裏には 


今までの出来事がソウマトウのように


一機に 駆け巡っていた


私は 全身が冷たくなり 震えがきていた


外は 夏の暑い日差しが 照りつけている ・ ・ ・ ・





私は 今、あすかの家の前にいる


白いカーテンは すべて閉ざされている


大きく深呼吸をし ベルを押した





あすか : 「は~い」 


私 : 「○○です」


あすか : 「 ・ ・ ・ ・ 、はい」





しばらくして


玄関のドアが開いた


そこには、


一月ぶりに見るあすかが いた


玄関のドアから 自分の身を半分だけ出し


家の中が見えないようにしている





あすかの


私に向ける目は 


相変わらずだ 


変わっていない




攻撃的だった――――

あすかが会社を辞めて 一月が過ぎた頃


再び、あすかから


電話がかかってくるようになった





呼び出す相手は


会社の若い男性社員


その社員の話では


夜の誘いの電話が 頻繁にかかってくるらしい ・ ・ ・ ・





あすかからの電話は


もちろん


彼の携帯にもかかってきている様だった





あすかは何を繰り返そうとしているのだろうか





彼は


私の行動を、視線を、


常に気にしている





懲りないヤツ――――

状況の把握ができないのか――――

呆れた―――

許せない――――





翌日、お昼過ぎ


私は誰にも行き先を告げずに出かけた





あすかが使っている


会社の携帯電話を取り戻す為に

あすかの家に向かった