愛人1号
主人の帰りが遅い
というより毎朝定時に朝5時30に帰ってくる。
飲んでた、マッサージで寝てた、漫画喫茶で寝てた、飲み屋で寝てしまった、会社で仕事していた。
そんな言い訳、信じてた、ずっと。
でもある日ひょんな事から見てしまった、
主人の携帯を。
今思えば、あれが地獄への第一歩。
携帯に登録されている私の名前、私の旧姓のまま。
結婚して3年も経つのに。
しかも名字でさんづけ。
◯◯さん
なんだか口の中が苦くなった。
私、他人、扱い?
私は知らないうちに
出口のない暗い旅路の一歩を踏み出していた。