サンライズ専務取締役 宮河恭夫さんの講義〜ガンダムからTIGER&BUNNYまで〜を受けて | アフリカの太鼓ジャンベを叩いて歌うシンガーソングライターKackey@dabigtree 旧Official Blog 『そこがOASIS』

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今日は雪がチラチラ見える中、京都は北大路にある大谷大学で公開講座を受講。


第一回 『コンテンツ産業と知的財産権』
 講師:大谷大学文学部 人文情報学科 柴田みゆき
第二回 『コンテンツ産業の新マーケティング戦略 ~ガンダムからTIGER&BUNNYまで~』
 講師:株式会社サンライズ 専務取締役 宮河 恭夫
第三回 『知的財産権と海外戦略』
 講師:株式会社サンライズ 専務取締役 宮河 恭夫


今回は第二回目。
参加人数は15名くらい。
三回受けて3,000円。
質疑応答の時間もあった。

、、、なんてラッキーなんだろう!
内容、規模、価格、素敵だ。
センサーをONにしとくとタイミングよく必要なものが舞い込んでくる。

講義はガンダムユニコーンとTIGER&BUNNYを具体例にして展開された。


通常ウィンドウ戦略は映画の場合、劇場公開、DVD販売、DVDレンタル、地上波放送といったように、期間をずらしながら収益を得ていく戦略をとる。
宮河さんは「ファンならその場で買いたいと思うのではないか?こちらも劇場に来てくれた人にこそ買って欲しい。」との考えからガンダムユニコーンの劇場公開にあたって劇場限定版Blu-ray を販売。 http://www.gundam-unicorn.net/info/ep2_goods.html
購入の際はチケットの半券が必要。
通常版に比べ限定版の方が価格は高いが販売数は10倍だった。


TIGER&BUNNYではMBSとUSTREAMを同時配信し、TOKYO MX、BSⅡでも放送した。
テレビ局は嫌がったが数字として
USTREAM視聴人数 1話 3,000人、 2話 7,903人、3話 10,334人、、、25話 17,846人
MBS視聴率 1話 2.0%、 2話 1.2%、3話 1.5%、、、25話 3.8%
多少の上下はあったが双方とも増加傾向にあった。

最終話では出演する声優陣をゲストに迎え、映画館で同時上映するオールナイトイベントを全国で開催。
新宿バルト9で開催されるイベントのチケットは4,800円、それ以外の映画館で行うライブビューイングイベントのチケットは3,000円。
このライブビューイングのチケットは23,000人が購入。
合計30,000人がこのイベントに参加したことになる。
参加者へイベント中にTwitterへのつぶやきを奨励し、それを流した。

「今はテレビを一人で見ることが多くなっていますが、私は多くの人たちと同じ番組を同時に観て、感動を共有したり、語り合うことは非常に楽しいし、そのニーズは必ずあると考えていました。」と語る。


TIGER&BUNNYはヒーローが全てスポンサーの援助を受けて活躍しているという設定に基づき、放送以前から実際に各企業向けにヒーロー達のスポンサーを募集。
2011年11月24日、日経新聞朝刊の全国紙に15段カラーに広告を掲載。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20110106/1034125/?rt=nocnt
小さな飲食店から大企業まで大いに反響があった。
日経新聞を媒体として選んだ理由は、”ハンコを押す50代以上の人たちは日経新聞に弱い”からだそうだ。

T&Bのオープニングをテレビで初めて観た時、自分は「とうとうこういうやり方が出て来たな。
これをきっかけにこういうキャラクタープレイスメント戦略を使ったアニメが出てくるんだろう。」と思った。
けれどもこの手法を使ったアニメが後に続いて出てこない。
これは何故かと問うと、「部分的に使われるかもしれないけどアニメでこのやり方は多分広がらないだろう。」との答えが帰ってきた。

ヒーローたちは戦闘服の腕や胸に企業ロゴを入れている。
企業ロゴはその部分が汚れたり壊されたりしてはいけない。

なにかと制約が多いのだ。
それがよりこの作品をリアルに観せてるんだけど。

このやり方はサンライズだからできたのかもしれない。
なお、CGを使っているのでロゴは差し替え可能。
今後は国によって協賛企業を変える予定。



別の男性からは「視聴率を意識して脚本を変更する事はありましたか?」との質問が出た。

宮河さんは「アメリカのドラマは視聴率が低下すると脚本が変わったり、ハリウッドでは結末を3つくらい用意して試写会リサーチの結果で結末を決定する。
ハリウッドのようなワールドワイドで数百億円規模の作品なら効果的かもしれないが、我々はそのやり方は取らない。
ネットの意見を見て落ち込むことも勿論ありますよ。作っている時は周りの意見に左右されずに作った方がいい。少数の人間が決める。周りにはネット見るな~!と個人的に言ってます。」と答える。


「メディアは常に新しいというイメージがあるかもしれませんが、既得権益が絡み合いなかなか新しいことをするのが難しい。」と語るが実際TIGER&BUNNYを革新的な手法で作り、そして数字的にも成功した。

宮河さんだからというバリューもあるかもしれないが、各部門、各企業に対して一体どんなプレゼンをしたのだろう。

作品自体の魅力はここでは語らないが、自分は5話目から出会いそれ以来毎週観た。
とても面白いので是非どうぞ!
http://www.tigerandbunny.net/main.html

講義は笑いも飛び交いとても楽しかった。
来週再び宮河さんの講義が受けれるので、何か質問を用意しておこう。