去年に封切られた映画『ラストゲーム 最後の早慶戦』を借りて観た。
1943年10月16に行われた一つの野球試合。
史実であるのでゲームは当たり前だがリアルだ。
学徒総動員により生徒たちの出陣が迫る中、
周囲の反対から早稲田の返答が遅れたため、生徒の帰郷などで練習を一時中断せざるをえなかった慶応。
大幅リードを奪った終盤、控えの選手たちにも出番をという早稲田部員の要望に
「慶応の練習不足は我々に非がある。
ゆえに手を抜いちゃあ失礼じゃないか!」
と噛み締めながら自チームの選手たちに放った飛田監督の言葉が印象的だった。
悲しい試合であったが、そこには純粋たるスポーツがあった。
ゲーム終了後、互いに捧げた相手校の校歌斉唱。
そこには純粋たる音楽があった。
焼け野原から自分が生まれるまでの昭和の30数年間、
どのようなスピードで日本が走ってきたのか未だに、というよりも益々掴めないでいる。
振り返って手を伸ばせば届きそうな年月だと今になって思うのだが、異国の物語のように遠い。
ショックをエネルギーとし、進まれた諸先輩方の情熱は、自分がまだ体感したことのない温度であろう。
飛田監督が造られた言葉、”一球入魂”。
一日一日、一つ一つの所作に魂を込めながら生きた人たちの映画。
主役は早稲田の飛田監督、野球部員だけでなく、早慶戦に反対した早稲田の田中学長からゲームを観に来られた部員のご家族たちなど登場人物全て。