どんな生き方も否定しないところが気持ちよいです。「ばにらさま」山本文緒 | 東大ママK子のマイペース読書日記

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本好きの50代女性です。好きな本の感想をなるべくネタバレなしで、ゆるゆると書いていきます。紹介した本を読んでいただければ嬉しいです。シニアモデルをやっています。そして、いちおう東大生二人の母です(何か引っかかればとあさましく書かせていただきました)。

こんにちは。

読んでいただきありがとうございますニコニコ

 

今日紹介するのは、

山本文緒さんの「ばにらさま」ですニコニコ

 

山本文緒さんは、直木賞作家ですし、

近著「自転しながら公転」するも

大評判になっていました!!

 

にもかかわらず、

彼女の作品を読むのは初めてですあせるあせる

 

が、

この

がんばって生きている人、

生きてきた人たちをつづる短編集ニコニコ

 

やはり、物語の持って生き方等々超上手で、

筆力にひたすら感心しました!(←上から(笑)) 

 

短編は

どれもほんとうにおもしろかったのですが、

中でも好きだったのが、

単行本タイトルにもなっている

「ばにらさま」、

そして「バヨリン心中」ですニコニコ

 

「ばにらさま」は、

素敵な男子を求めて、

身を着飾することに夢中で

熱帯魚のように

ふわふわと都会で頑張っている

派遣社員の女の子瑞希を、

ボーイフレンドの地味な男の子広志の

視点から書く物語ですニコニコ

 

ちょっとでも条件のいい伴侶を得ることを

最優先する瑞希。

そんな彼女の本音が分かっていても

恋人でいる主人公広志。

 

都合のよい男の広志に、

実は同情されている

(でも愛されてもいましたけれど)瑞希は

お金がないのにかわいいお洋服を買い、

自分をステップアップすることでなく

誰かに幸せにしてもらおうとしている

一見かわいそうな女の子ですニコニコ

 

でも、それも一つの生き方ですよね。

彼女の生き方に、共感はしないけれど、

どこかわかるところがあります。

 

この小説が好きなのは、

彼女のことを否定していないところなのです。

 

どんな生き方が正しいか分からない。

そして

いろんな生き方があるニコニコ

彼女の幸せを願わずにはいられませんラブラブ

 

 

そして、一見モテない男の子たちは、

今や、女子モテを求めていないこともあり、

ヒエラルキー的に実は

下ではないのだなあと思って、

こもよいなあと思いましたニコニコ

 

 

 「バヨリン心中」は、

ポーランド人と結婚した女性の物語です。

おばあちゃんが出てくるから

昭和初期の時代のお話と思いますが

そうではなく…という仕掛けもあるのですが…。

 

東日本大震災の原発事故が

ポーランド人の夫にどれほど影響を与えたのか…

ということが、

日本人の想像を超えていて、

そこが私にとって新たな発見でもあり

理解もできて

とても有意義でしたニコニコ

 

違う価値観を理解することの難しさ、

でも理解しようとする心の美しさが

この物語にはあるような気がして、

大好きなお話でした。

 

ほかの短編もそれぞれ面白く、

お薦めです!!

 

 

今日も読んでいただいてありがとうございました。

 

 

このブログを読んでくださった方が

明るく

より素晴らしい毎日を過ごすことを祈っていますニコニコニコニコ