次女は中2、部活で吹奏楽をしています。

 その次女の後輩の一人で、サボるばかりしている人がいます。

 次女はかなり頭にきているようで、しょっちゅう愚痴っています。

 その後輩は、当然の結果として、イマイチの腕前。


 その一方で、なかなか上手な後輩もいます。

 上手な方の人は、その楽器を演奏するのが本当に楽しそう。

 楽器もよく手入れしていてキレイです。

 練習はもちろんサボりません。

 それ以外でもその楽器(フルートパートです)のキーホルダーをつけていたり、フルートの活躍する曲を好んで聴いていたり。

 好きこそ物の上手なれ、ですね。


 これは、部活とか趣味に限りらず、仕事でも同じこと。

 私の尊敬する農家に杉山経昌という人がいますが、その人の著書の中で

「農業にはさまざまな栽培技術が必要とされる。

 その習得に困難を感じる人もいるだろう。

 ここに技術習得の奥義を伝授しよう。門外不出、究極の奥義だ。

 それは、自分の作物に恋をすること」


だそうです。

 対象物に恋するくらい好きなことであれば、些細なことにも興味を持って取り組めます。

 良い結果が得られれば楽しくなるし、悪い結果でも次に頑張ろうという気になります。


 もちろん、楽しいことばかりというわけにはいきません。

 上の杉山氏とは対照的なことを、ある会社員の方が言っていました。

「楽しく笑ってお金を稼ぐことなんてできない、つらくてヒーヒー言いながらも精一杯仕事するものだ」
とのこと。


 確かに、そんな一面もあるかもしれません。

 例えば、会社が辛いからやめたい、のんびりと田舎暮らしをしたいから農業がしたい、というだけでは挫折してしまいます。

 しかし、このような考え方は、ちょっと精神論っぽくて違和感も感じます。

 仕事をする時に、そもそも、その仕事が好きかどうかは前提条件とすべきです。

 楽しく笑ってお金を稼げるとは言えませんが、好きなことであれば困難が起こっても耐えられるはず。

 肝心なお金が稼げない状態であっても、耐えられます。

 例え、うまくいかなくても、あれこれ工夫して頑張っていくことにより充実感が得られます。

 そして、そのように毎日を真摯に取り組むことにより、結果として人生の充実感が得られるのではないでしょうか。