世界的な自動車会社のトヨタ自動車では、カンバン方式とか色んな特徴的な取り組みが行われていますが、その中の一つに「5なぜ」というのがあります。
なぜを5つくらい積み重ねると、物事の本質が見えて来るということです。
実際にやってみればわかりますが、よくわかっていると思うことでも、なぜを二つか三つ続けるとすぐに答えに詰まってしまいます。
これを、突き詰めて考えることによって、思いつきでなく、順序良くもれなく要因を見つけることができます。
それが、トラブルがあった時の真因や商売で困ったときの根本解決に繋がります。
例えば、ある農家が直売所に出荷している果物の売り上げが特定の日だけ悪いとします。
これについて、なぜ?と考えてみます。
要因としては、
1)他の出荷者が多いから
2)お客様が少ないから
・・・
等々、いろいろ考えつくかと思います。
それでは1)の、他の出荷者が多いのはなぜか?
これには、
1ー1)市場が休みで出せないので、その直売所に回している
1ー2)土曜日や日曜日で兼業の方が出荷している
・・・
などが思いついたとします。
それではなぜ市場が休日の日に出荷する?
1-1-1)収穫物は放っておいたらどんどん成長する
1-1-2)その生産品が日持ちがしないですぐ商品価値がなくなる
・・・
という具合に要因を考え、それらについてさらにその要因を考えます。
しかし、ただやみくもになぜ?と考えても、慣れていないと必ずしも思考が進みません。
こんなときは、いろんな観点からなぜ?を考えることが必要となります。
ここでは、それが起こる要因を、以下の4つに分けて考える方法を紹介します。
・至近要因(直接的な要因)
上の例でいえば、その特定の日に客が少ないため、とか買う人が少ないためといったこと
・発生要因
その日にあるイベントが発生しているため(休日とか他店のセールとか)
・歴史要因
その日にその果物を消費する習慣がない(土用の丑の日とか節分とか)
・究極要因
そもそもその果物に魅力がない
こういった様々な観点から要因を掴みます。
これにより、なぜを考える手がかりが得られやすくなります。
しかし、こんな風に一つの物事についてじっと考え続けることは結構苦しいものです。
また、人によっては行動した方が早いという場合もあるでしょう。
しかし、それでもなお、自分の立場をステップアップするためには考え続けることは重要です。
人間は考える葦であるともいいます。
考えることにより、人間は他の動物のレベルを超えた特異な存在になりました。
私達も人間として生まれてきた以上、このような能力を最大限に生かしていきましょう。
そして、我々の持つ、色んな悩みや課題を克服していきましょう。