少し前のことですが、ウチの子供に、友達からチェーンメールがきました。

 普通のチェーンメールならスルーできますが、今回のは割とよくできていたようで、うっかり次の人に回そうとしていました。

 子供は、念のため、と親に見せたことから、チェーンメールと判明。

 最近は、インターネットを利用した悪意ある仕掛けが巧妙化していますね。

 油断も隙もあったものではありません。

 リアルでも、振り込め詐欺など相変わらず流行っています。

 老人を食い物にしようなど、けしからんこと甚だしい、と憤っていても仕方ありません。

 私たちは自衛のため、用心深くならなければなりません。

 そうしたときの考え方として、重要なのが批判的思考です。


 批判的思考では、人の言うことを鵜呑みにしないで、情報源の信頼性をきちんと判断します。

 また、相手の言っていることの根拠をしっかりと判断します。

 事実なのか、仮定や推論なのか、その場合の仮定の妥当性はどうか、等です。

 そのために、適切に質問をし、物事をはっきりさせます。

 このようなコミュニケーションは、悪意ある場合のみに限りません。

 親切でアドバイスしてくれる場合でも適用しましょう。

 もちろん、○○がキレイとか、△△して楽しいとか、感覚的な話まで批判的に聞けというわけではありません。

 高価なものを買うとか、ハウツー本を読むときなど、それなりのコストを要する場合に使います。

 しかし、そんなことをしていたら、人間関係がギスギスするのでは?と思うかもしれません。

 和をもって尊しとなすとか、議論を嫌う素地が日本人にはあります。

 しかし、批判的思考というのは、相手を否定しているというわけではありません。

 むしろ逆で、相手の意見を尊重しているのです。

 自分とは異なる意見を排除せずに、開かれた心で真剣に耳を傾ける訳です。

 それに、反対意見にも公平に合理的な立場で判断しようとすることに他なら無いのです。



 批判的思考をする際には、以下のような観点から相手の言動や自分の考えを見直してみます。

・結局のところ、何がどのように問題なのか?

・考えの中に、暗黙の前提がないか、もしあればその前提が正しいか?

・自分だけの常識を、あたかも世間一般の常識のように過度に一般化されていないか?

・考えている内容は事実か、それともこうであるべきという価値感か?

 等々。

 批判的思考も訓練次第。

 日頃から、そのようなスキルを身につけておいて、いざという時に使えるようにしたいものです。