先週、昨今の安全第一主義に警鐘をならすということで、リスクを恐れず行動しましょう、というお話を書きました。

 とはいえ、新しい行動に突き進むのはやはり抵抗があるものです。

 こうした抵抗に打ち勝つにはどうすればいいでしょう?

 よく、感情が行動のための原動力と言われます。

 行動を進めるのも、行動を押しとどめるのも感情が先に来ます。

 そもそも人間に感情という機能が備わっているのは、行動をしたりしなかったりするきっかけを起こすためなのです。

 例えば、原始時代に、人間が野獣に襲われそうになるとします。

 そうすると、恐怖を感じます。

 そのとき、逃げるか戦うか?

 恐怖そのものは逃げろ、という信号を送っています。

 で、もしも逃げられないとなったら、すなわち恐怖が役に立たない状況となったら?

 戦うしかありません。

 そして、戦えという信号を送る感情は、怒りです。

 つまり、怒りは恐怖に打ち勝つことのできる感情となります。

 最近の日本人は、安全を気にしすぎて保守的になっていると前回書きましたが、同じく怒るのも下手な気がします。

 安全を気にしすぎるのと、怒りをうまく処理できないのは繋がっているのかもしれませんね。

 それはともかく、そういうわけで、わざと何かむかっ腹を立てて、怒りのエネルギーを使うのもありかもしれませんね。



 ただし、怒りのは猪突猛進できる反面、盲目的になる懸念もあります。

 行動をしたはいいが、ピントがはずれていて、思うような成果が得られない、というのも意味がありません。

 何か行動を起こそうと思ったら、やっぱり綿密な事前準備は必要です。

 これは、感情からのアプローチでも有効。

 新しいことを始めるときに感じる不安は、それをした時にどうなるかわからないから。

 綿密な準備により、行動を起こした後のイメージができていれば、不安が払拭されることにもなります。

 綿密な準備をして、その上で怒りのエネルギーで行動に突き進む。

 よく熟慮断行といいますが、なんとなく通じるところがありますね。