子供は終業式も終わり、春休み突入です。
成績表も返ってきました。
子供も、同級生たちと成績を教えあったりしたようです。
私も昔、やっていました。
そうした時に、決まって「全然ダメだった」とか、「サイアク~」とかいう人が結構いたものです。
逆に、「よかった」などという人はほとんどいませんでした。
終わった後だけでなく、テスト前なども特にそうです。
「準備はどう?」とか聞かれると、「できてない、やばい!」とか。
今となっては懐かしいものです。
ところで、何でそんなに、できていないとかダメだとか、言いたがるのでしょう?
本当にできていなかったりダメだったりするから?
謙遜は美徳というから?
あるいは、相手を油断させて自分だけ抜け駆けするため?
実は、一番の理由は自尊心が高いからだそうです。
そもそも、自分では本当はそれほどひどい状況とは思っていません。
ですが、もしも結果が良くないと、恥ずかしいというか自尊心が傷つけられます。
そこで、全然良くないといって、予防線を張っておくのです。
で、実際には結果はそこまでひどくないので、相手から「結構いいじゃない」と認めてもらえ、自尊心を傷つけられずにすむのです。
言われてみれば、確かに思い当たるところがありますね。
ただし、このような予防線には問題があります。
本人は本当に危機感を感じている訳ではないので、必ずしも事態を改善すべく努力する訳ではありません。
それどころか、言ったことを実際に実現しようとする意識さえ働く場合があるのです。
私の知人は、公務員の試験の前日に夜更かしして遊んでしまいました。
で、当日寝過ごしてしまい、結局試験を受けずに不合格となりました。
非常に成績のいい人だったのに、何でそんなバカなことをするのかと不思議に思ったものです。
また、そこまで極端でなくても、予防線を張っているとなぜか甘えが生じてきて、努力を怠ることが多いようです。
スポーツ選手や実業家で、このような発言をする人は大成しないと言われています。
もしもうまくいかなかったら恥ずかしい、という気持ちは十分わかります。
しかし、それを押して人に宣言するほうが、実際にやり遂げる確率は高まるのです。