以前に、情報を鵜呑みにしないようにしよう、という話を書きました。

 最近は情報があふれかえっていて、どれが本当かわからなくなってしまっています。

 体重と健康の関係なども、その最たるものです。

 一般的には、食べ過ぎて太ると身体に悪いとされています。

 6000年前のエジプトのピラミッドの碑文でも「人間は、食べた食事の1/4で生き、残りの3/4で医者を生かす」と言われています。

 現代でも、太ることにより高血圧や糖尿病、ガン等の生活習慣病リスクを高めることが知られています。



 しかし、最近では逆の結果も得られています。

 日本の厚生労働省の統計結果で、痩せている人よりも、少し太った人の方が寿命は長い、というものです。

 以前話題になったので、ご存知の方も多いでしょう。

 アメリカでも同じ時期に、少し太り気味の方が寿命が長いという結果が得られています。



 では太るのは身体に良くない、というのはウソだったのか?というとそうとも言えないようです。

 やせの方がよいと主張する人は、上記の統計では、痩せた人の中に、病気になって痩せた人も含んでいると指摘しています。

 そして、そうした人を除くとやはり痩せている方が寿命が長い、という結論を導きだしています。

 一方で、太り気味のほうがよいという人は、そうした人を除外しても、やはり太り気味の方が寿命が長いと主張しています。

 いずれも統計上の結果を見ての主張なので、データの採取のしかたや処理方法で、このような差が出たのでしょうね。



 それで結局、本当のところはどうなの?というと、まだ決着がついていないようです。

 太るとか痩せるとかいった、とても分かりやすい身体の状態ですらまだ決着がついていないのですから、人知の及ぶ範囲はまだまだ浅く狭いのですね。



 ですが、まだ決着がついていないからと言って、我々は自分や身の回りの人の健康を守るためには、判断を保留する訳にもいきません。

 こうした場合は何を信じればよいでしょうか?



 一つの考えとして、発言する人の背景を考えてみることも必要かと思います。

 例えば、製薬会社の関係者の発言であれば、ダイエット商品を売りたいだろうから、痩せた方がよいという主張に傾きやすいと考えられます。

 逆に、ファストフードの関係者であれば、少し太り気味の方がよいと主張するでしょう。

 私としては、厚生労働省の調査を信じています。

 国の医療費の赤字を減らすためには、国民が健康になってもらう必要があり、これは我々と利害関係が一致するためです。

 ただし、経済産業省は別の考えかもしれないし、経済産業省の方が力が強そうだという考えもありますが。



 それともう一つ、プチ断食というのが静かに流行しています。

 毎日の食事を一食抜きとかするもので、私もやっています。

 これを流行らせて得をする(何かを売って儲ける)人は特にいないでしょう。

 強いて言えば、この本を書いた人くらい。

 それに対して、流行らせて損になる人は大勢います。

 飲食関係者、ダイエット関係者、医療関係者、等々です。

 それなのに、静かにはやっているということは本当なのかもしれないと思います。

 ただし、これはあくまで私の判断基準。

 皆様も、自分で考えて正しいと思う方を選ばれるのがよいかと。