私は、畑に来るセキレイを十分可愛がってやっています。

 その証拠に、毎年耕耘機を使い、セキレイに餌を供給しています。

 セキレイも、最初のうちは、私の好意を受け止めていてくれていると思います。

 しかし、徐々に暖かくなってくるにつれ、両者の間にはやや微妙な雰囲気が漂ってきます。

 第三者の闖入がその原因。

 私の畑には、セキレイ以外に、カラスや百舌、ヒヨドリ、ハト等がやってきます。

 このうち、百舌は我らの味方。

 害虫を食べてくれるので、セキレイ同様に可愛がってやります。

 これに対し、カラス、ヒヨドリ、ハトは農業害鳥ワースト3。

 すなわち、敵です。

 この中のカラスは賢いので、私が近くに来ただけですぐに逃げますから、セキレイと私の関係はゆるぎません。

 問題は、ヒヨドリとハト。

 奴らは私が見ている前で、大事な野菜やマメ、種を食べます。

 そこでシッシッと追っ払います。

 特にハトは私の仇敵。

 こいつが近くにいるのを見ると、私の理性は吹き飛び、土を投げつけて威嚇します。

 そうすると、セキレイも驚いて一緒に逃げて行くのです。

 そして、その後当分は私のそばにやってきません。

 まるで信頼していた仲間に裏切られたかのように。

 こうしてセキレイと私の短い蜜月関係は終わりを告げるのです。