現在使われている新暦は太陽暦、その中でもグレゴリウス暦というものですが、江戸時代までは太陽太陰暦が用いられていました。
太陽暦は太陽の周期を元にしたもので、太陰暦は月の満ち欠けを元にしたものです。
月は、新月から満月になって、また見えなくなるまで約30日周期です。
そこで、これを一ヶ月とします。
これを12回繰り返すと概ね一年となります。
が、実際は端数があるので太陽を公転する周期の約365日よりも11日ほど短くなります。
そこで、3年経つと一月分になるので、まとめて閏月を入れます。
太陽の一周期と月の一周期は基本的には無関係なので、太陽暦と太陰暦のずれは年によって変わります。
今年は旧暦の1月1日は新暦でいうと1月31日で30日ずれています。
年によっては50日以上ずれることもあります。
しかし、農業のような日長や気温に敏感な産業が主体の社会では、これでは不便です。
従って、単なる月の満ち欠けだけで決まる太陰暦に、太陽を基準にした二十四節気を併用させ、太陽太陰暦としました。
ここで、二十四節気というのは、今の時期でいえば冬至とか小寒とかいうやつです。
ちなみに、旧暦の正月元旦は、二十四節気では立春となります。
これは、寒さがピークとなる時期で、その先は暖かくなりはじめることからここを起点としています。
これに対して、新暦の一月一日の根拠については、気象や天文学上の合理性はあまりなく、古代ローマの慣習が元になったようです。
現在ではあまり使われなくなったとはいえ、旧暦に由来する言葉や風習は数多く残されています。
例えば、月初めの一日はついたちと言いますが、これは月立ちで、この日から月が出始める、というのが由来です。
また、一月は睦月(むつき)とも言いますが、これは、お正月で身分や年齢に関係なく、みんなが仲良くお正月を祝うことから、「むつみあう月」ということでできたとの説があります。
さらに元旦の旦の時は、太陽が地平線から出ていることを表している、とのことです。
こうしてみると、いろんな云われがあって面白いですね。
現代はバタバタと忙しいが、お正月くらいはこうしてのんびりと言葉の由来でも調べて過ごすのもいいかも。
何はともあれ、今年もよい一年でありますように!
参考にした本