昨日は

JR西日本福知山線脱線事故から

ちょうど6年だった

それで今日

事故現場まで行って焼香し

献花してきた

過密ダイヤ、日勤教育といった

利益優先、安全軽視の経営状況が

運転士を絶望的なスピード超過運転に走らせた

という見方がされている

106人もの乗客が亡くなり

何人もの人がさまざまな障害を負い

残された遺族の中には自殺した人もいる

JR西日本は遺族会に定期的に説明をしているが

事故調査委員会の情報が秘密裏にJR西日本にもれるという事件もあり

事故に遭った人たちや遺族にはJR西日本に対する不信感が収まるはずもない

歴代社長を刑事告訴するかたちで

JR西日本という会社としての責任追及が法廷で続いている

争点はATSという装置をカーブ手前に設置して

自動的に減速するようにしておけば事故は防げた

同様な事故がすでにあったのだから予見できたはず

という疑い

JR西日本は

今日も被害者、遺族との対話をつづけ

社の改革を試行錯誤している

僕は事故が起きた2005年から

毎年献花に訪れている

なぜなら

実に多くの人々が毎朝電車に乗っており

自分が死なないでいるのはたまたまだという思いがまずある

この事故で犠牲になった人々は

まさに僕らの身代わりではないかという思いがするのだ

多くの人々が同じことを思い

だからこそ日本中の電車がどうなってるんだ?と

半ばパニック状態にもなった

それでも毎朝電車に乗らなければ

生活のために働くこともできず

いつもと同じ日常は滞りなくつづけられた

ここからは今起きていること

東日本大震災3.11以後に結びつけてみよう

JR西日本福知山線脱線事故の

被害者、遺族のみなさんには失礼かもしれないけれど

利益優先、安全軽視という企業風土の中で

僕らの日常がある日突然

実は非常に潜在的な危険にさらされていることを思い知らされた

という本質的な共通点があると思うのだ

しかも今起きている事態は規模があまりにも大きい

死者、被害者の人数のことではない

死者106人であろうと死者3万人であろうと

人災で犠牲者が出ることの重みは比べようがない

では違いはどうだろう

まずJR西日本福知山線脱線事故では

事故発生の遅くとも翌日にはもう

マスコミがJR西日本に対する非難の大合唱をしていた


カーブの角度も実際の限界速度も力学的な実験データも

まだ十分な情報がないうちから

犯人をJR西日本に決め付けるかのような報道ぶりだった


ひるがえって

今進行している事態をみればどうだろう

マスコミの東電に対する態度のなんと冷静なことか


しかも

JR西日本福知山線脱線事故の被害と違い

放射能汚染は現在進行形なのだ


脱線事故では被害者も遺族も

自らが早くて便利な電車を望んで利用してきたという自覚もあり

やりきれなさを覚えながらも

どうして自分が、という思いを抱いていることと思う

そういう思いと闘っている人もいる

解脱した人もいる


いまリアルタイムに放射能汚染が進んでいる地域で

世を達観し、被爆を恐れず生活する人がもしもいるにしても

それは脱線事故とはずいぶん事情が違う


放射能による死者は出ておらず

目に見える被害、耳にとどく叫びは放射能汚染そのものよりは

政府による災害対策の不手際によるところが今のところ大きい


それ以前に

原発が誘致される地域はすでに交付金漬けにされており

先日の選挙でも原発容認派が当選するケースがあった


東電が運転する原発容認の候補者に票が集まる

社長が刑事起訴されたJR西日本とは大違い


電力会社がマスコミに出す広告料は

JRが出す広告料と比べ物にならないくらい高額


しかも原発は国策で進められてきた

経産省と電量会社の関係は

国交省とJRの関係とは比べ物にならないだろう


電力会社は法律で保護されていることも大きな違いだ

総括原価方式で

経費に利益を乗せて料金設定できるので

どんなに下手な経営でも必ず利益が出る


JR西日本は広大な関西地域で多くの赤字路線を抱えており

福知山線は数少ないドル箱路線の一つだった

その路線で過密ダイヤを設定し

並みいる競合と戦う中で事故が起きてしまった


それに比べて電力会社はどうだろう

赤字になる心配がなく

政府にはかわいがられ

マスコミには圧力をかけている


福島第一原発事故の直後には

輪番停電を発表し

地震被害のない電車の運行にも影響を及ぼした


総電力供給の30%を占めるとされる原発が

運転を止めると電車が走らなくなるという事態を

多くの人々が目の当たりにしたのだ


実際には

総電力供給設備の中では原発は18%ほどという説もあるのに

マスコミは口をそろえて30%と報道しつづけ

その真偽をスクープする意気込みはまったく感じられない


司法はどう動くだろう

JR西日本に対しては社長が刑事起訴されるに至った

東電に対して起訴はなされるのだろうか


住民には交付金が支払われ、雇用の恩恵がいくらかある

原発周辺の住民が東電を訴えるようにと

首都圏住民が言うには

感謝の気持ち、寄り添う気持ちと末永い支援が必要だ

あるいは首都圏住民自らが原告になることも考えられる


しかし

この法廷での闘いでは

いわゆる世論を味方にすることが難しい


世論形成力のあるマスコミには巨額の広告料

プロダクション、出演者、執筆者などにはおいしいギャラ


このような逆境の中で闘いつづけ

検察審議会で強制起訴に持ち込み

必ず勝つ!

という確信がほしい



振り返ってみれば

僕は2005年4月25日以来

毎年事故現場を訪れては死者たちに手を合わせ

助けてください、とお願いしてきた


申し訳ないと思いながらも

亡くなられた御仏に

個人的にも世の中的にも

知恵を授けてください、勇気を分けてください

とお願いせずにはいられなかった


申し訳なく思うことではないのか

やっぱり申し訳ないのか

よくわからない


ただ

リアルタイムに起きている事態を目の当たりにして

途方もなくどうしようもないやりきれなさを覚える前に

まだまだできることがあるはずだと思うとき

一つにはJR西日本社長の起訴を思い出す


政府、官僚、マスコミと闘うには

政府、官僚、マスコミがしてきたことを参考にしよう


司法と闘うことになるのなら

司法がしてきたことを使おう


彼らは必ず

自らの墓穴を掘ることになる