広島に原爆が投下されてから昨日でちょうど65年が経った。平和記念式典には、米大使と国連事務総長が初めて出席した。クリントン米国務長官は昨日、8月6日を重要な記念日として位置づけることを示唆する発言をした。昨年春の「プラハ演説」から起こった「核兵器なき世界」の実現という世界的な潮流の中で、今年の8月6日は、広島が位置づけられるようだ。

では、「核兵器なき世界」の実現に向けて、実際のところどうなってるのか?今年の動きを調べてみると、核体制の見直し(NPR)、新戦略兵器削減条約(NEW START)、NPT再検討会議と出てきた。検索すると、「核情報」「晴天とら日和」といったサイトが豊富に情報収集してくれているので、参考にしながらちょっとみてみよう。


今年4月6日に米国の「核体制の見直し(NPR)」がワシントンで発表され、2日後の8日には、米ロ間の「新戦略核兵器削減条約(NEW START)」がプラハで調印された。

核体制の見直し(NPR)は、今後5~10年の米核戦略の指針となるもの。核拡散防止条約(NPT)を遵守している非核保有国が生物・化学兵器による攻撃を行っても、アメリカは核兵器による攻撃をしない、新型核兵器の開発を行わないといった特徴がある。
ただし、ゲーツ国防長官は、イランと北朝鮮のように核開発を続ける国に対しては「例外扱い」として、ブッシュ前政権と同様、核攻撃の可能性を否定せず、アメリカによる新型核兵器の開発停止についても状況次第で政策を修正する可能性を示唆し、核先制不使用の宣言も見送られた。
このとき、オバマ大統領は、最大の脅威は国家間核戦争ではなく、これからは核不拡散問題を最優先課題に取り上げていく考えを強調した。NPRを通じてプラハ演説の具体化を目指す政策を示したことになり、2日後のロシアとの条約締結につなげる外交的意図がうかがえる。

NPRの要旨のうち、特定国家間についてのものは以下のものがある。

・一方、米国はロシア、中国など既存の核保有国との間の戦略的安定も考慮しなければならない。ロシアは唯一米国と並び立つ核能力を持つものの、ロシアはもはや敵国ではない。

・米中はますます相互依存を強め、大量破壊兵器の拡散などグローバルな脅威について責任を共有する。ただ、同時に米国と中国の隣国は中国の軍事的な近代化、中でも核の質、量両面からの近代化を懸念している。中国の核兵力はロシアや米国より格段に小さいものの、不透明さは将来に疑念を抱かせる。米国はロシア、中国と安定した関係を維持する。


新戦略兵器削減条約(NEW START)については、今年4月8日に米ロ両大統領がプラハで調印した。まず焦点になるのが核弾頭とその運搬手段の削減数、及びその数え方なので、条約の翻訳文をそのままみてみよう。

第2条
各当事国は、そのICBM及びICBM発射装置、SLBM及びSLBM発射装置、重爆撃機、ICBM弾頭、SLBM弾頭、重爆撃用核兵器を削減・制限し、本条約の発効から7年後及びその後、その総数が、本条約第3条に従って数えた場合に、以下を超えないようにする。
(a) 配備ICBM、配備SLBM、及び、配備重爆撃機 700
(b) 配備ICBM搭載の弾頭、配備SLBM搭載の弾頭、配備重爆撃機用に数えられた核弾頭 1550
(c) 配備及び非配備ICMB発射装置、配備及び非配備SLBM発射装置、及び、配備及び非配備重爆撃 800
各当事国はその戦略的核兵器の構成・構造を自国で決定する権利を持つものとする。

第3条
本条約第2条1(a)に定められた総数限度に関して数える上では、
(a) 各配備ICBMは、1と数える。
(b) 各配備SLBMは、1と数える。
(c) 各配備重爆撃機は、1と数える。
本条約第2条1(b)に定められた総数限度に関して数える上では、
(a) ICMB及びSLMBに関しては、弾頭数は、配備ICBM上及び配備SLBM上に搭載された再突入体の数とする。
(b) 重爆撃機1機について核弾頭1と数える。(注)
本条約第2条1(c)に定められた総数限度に関して数える上では、
(a) 配備ICBM発射装置は、それぞれ、1と数える。
(b) 非配備ICBM発射装置は、それぞれ、1と数える。
(c) 配備SLBM発射装置は、それぞれ、1と数える。
(d) 非配備SLBM発射装置は、それぞれ、1と数える。
(e) 配備重爆撃機は、それぞれ、1と数える。
(f) 非配備重爆撃機は、それぞれ、1と数える。


(注)は、今回採用された新しい数え方の説明で、その事情については前出のNPR(21ページ)で述べられている。

新STARTの下では、[核及び通常兵器の]両能力の爆撃機は、戦略運搬手段及び1個の核弾頭として数えられる。この計算方法が採用されたのは、重爆撃機は、どちらの側に対しても[報復能力を破壊してしまう]第一撃の脅威を意味せず、また、日常的には、核兵器を搭載している爆撃機はほとんどあるいは全くないことを考慮してのことである。

重爆撃機は1機につき6~20発搭載可とみられるが、日常的には核弾頭を搭載してはいないということだ。それでも、米ロが偵察衛星やスパイ活動(?)などでお互いに監視している中で、軍用機1機1機に核兵器が搭載されているか?いないか?まではチェックできないから、交渉のテーブルではお互いに軍用機の存在自体を疑わざるをえなくなるのだろう。だから、核兵器を搭載していてもいなくても、重爆撃機の存在自体が核兵器を1発搭載していると見なしましょうというルールを新設したみたい。

だけど、そうすると、軍用機用に倉庫にしまってある核兵器はどうなるのだろう?「核情報」では、かつてパウエル国務長官がブッシュ大統領に公式に条約を提出した際の説明を記した書簡が抜粋されている。

「本条約の適用上、米国は、実戦配備(operationally deployed)核弾頭とは、発射装置内にある大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載された再突入体、潜水艦上の発射装置内にある潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)に搭載された再突入体、及び、重爆撃機に搭載されているか、もしくは、重爆撃機基地の兵器貯蔵地域に貯蔵された核兵器を指すと見なす。重爆撃機基地には、この他、少数の戦略核弾頭スペア(ICBM弾頭のスペアも含む)が置かれている。米国は、これらの予備を実戦配備の戦略核弾頭とは見なさない。」

搭載されていない予備弾頭はカウントしない、と書いてあるのだ。今年調印された新STARTでは、それでも、重爆撃機1機があれば1発の弾頭があるものとしてカウントしようということなんだけど、もしも、実際には重爆撃機1機につき1発を超える弾頭が倉庫にしまわれているとしたら、核兵器の数を減らすこと自体についてはあまり意味がないことになる。このことからわかるのは、戦略兵器削減条約とは、あくまで核兵器を保有する軍事大国間での交渉であり、相手の核兵器が自国に飛んで来るリスクを可能な範囲で公開し合い、経済的側面も重視してお互いの利益になるよう削減していこうということだろう。


では、予備の核弾頭についてはどうなっているのだろう?アメリカは今年5月3日午後に保有核(stockpile)は5113発だと発表した。2009年9月末現在の国防省管轄下の核兵器の保有量で、退役となりエネルギー省に管轄の移った解体待ち退役核数千発は含まれていない。「核情報」によると、「米国科学者連合(FAS)」と「自然資源防護協議会(NRDC)」が同日午前にFASのサイトに載せていた「保有核」の推定は5100だから、FAS/NRDCの推定の精度はさすがだと評している。
そのFAS/NRDCによると、退役未分解核弾頭は4500発あり、これを含めた解体されていない、組み立てられた状態の核弾頭総数は9613発と推定されている。

この5月3日の公表はファクトシートの公開というかたちで示され、1962年以来の保有核のデータと、1994年以来の解体数についても初めて公開された。

それによると、2009年9月30日時点での保有核5113発という数は、1967年9月30日の保有核兵器のピーク(3万1255)と比べると84%削減、1989年末にベルリンの壁が崩壊した時のレベル(2万2217)と比べると75%の削減となる。
核弾頭の解体については、1994会計年度から2009会計年度までの間に、米国は、8748個の核弾頭を解体した。この他数千の核兵器が退役して解体を待っている。
非戦略核兵器については、その数が1991年9月30日から2009年9月30日の間に約90%減少した。

このファクトシートは「米国核兵器ストックパイルの透明性向上」と題されており、核兵器を保有する各国に透明性の向上を促す意図がうかがえる。具体的な数字がずらりと並ぶ表やグラフが示されている。新戦略兵器削減条約を署名し、NPT再検討会議に臨み、米国議会で条約の批准を目指すというシチュエーションでの画期的な公開だった。アメリカのハード・パワーからソフト・パワーへの戦略転換という議論もある中で、軍事的な優位を意地することで得られるメリットとデメリットを計算する必要に迫られるアメリカの現状を公開することで、新興勢力が高度経済成長の波に乗って、勢いがあり余っている時期に、破滅的だと後にわかることになる選択をしないように冷静になることを促すための公開という側面があるのではないかと思う。

新戦略兵器削減条約(NEW START)は、米ロ両大統領の署名からはじまって、次にそれぞれの国の議会で承認されて、ようやく実施される。
5月13日、オバマ米大統領は4月8日にロシアとの間で署名した新戦略兵器削減条約(NEW START)を米議会上院に提出した。11月に予定される米議会中間選挙前の批准を目指し、上院の承認を求める方針。核兵器の維持・管理に今後10年間で800億ドル(約7兆4千億円)を支出する予算案も同時に提出した。

米国議会においては、核戦力の優位性を主張する議員さんもいるため、その維持・管理費が膨大であることを数字で示して説得力をもたせているようだ。1960年代に3万発を超えるまで膨れあがった核兵器は、事故防止のために装置を近代化していかないといけないこともあって、毎年8000億円前後の支出が見込まれる。軍事戦略、経済戦略、その他あらゆる戦略を総合的に見て、核戦力、軍事戦力をこれまで通りに維持することによってどれほどの優位性が見込めるだろうか?という無言の問いにもなりうるのだろう。


米国科学者連合のブログより
「誰か、我々とロシア人が、それぞれ、広島を灰燼に帰した原爆の5倍から25倍の威力を持つ核爆弾を1000発以上保有して、互いを狙い合っていることを必要として続けているのか説明できる人がいたらe-mailを送って欲しい」


NPT再検討会議
今年5月3~28日、ニューヨークの国連本部でNPT再検討会議が開催された。核保有国と非保有国、先進国と途上国といった利害対立が先鋭化し、ぎりぎりまで紛糾した末になんとか最終文書が採択された。「行動計画」をあげて後に検証可能なかたちにしてある。検索してみると、山陽新聞がいちばん読みやすいのでいくつか抜粋してみよう。

[行動計画]

▽核軍縮

一、すべての国は「核兵器なき世界」を達成するという目標と完全に一致する政策を追求することを約束。

一、すべての国は核軍縮の方法が不可逆的、検証可能、透明である原則を採用することを約束。

一、ロシアと米国は新たな核軍縮条約「新START」の早期発効および完全実施追求を約束。一層の核兵器削減を達成するための引き続きの措置について協議を継続することを両国に促す。

一、核保有国は、核軍縮につながる具体的進展の加速を約束。2014年の再検討会議準備委員会に進展状況を報告し、15年の再検討会議で次の措置を検討。

【地域問題】

▽中東地域

一、イスラエルのNPT加盟と同国の核関連施設すべてを、IAEAの包括的な保障措置(査察)下に置くことの重要性を再確認した00年の決議を想起。中東地域におけるすべての国家に対し、非核国としてNPT参加を求める。

一、95年決議の完全履行に向けて、国連事務総長と95年決議提案国は、核兵器など大量破壊兵器が存在しない中東地域をつくりだすため、地域のすべての国家が参加する会議を12年に開催。

▽その他の地域

一、北朝鮮に対し、05年9月の6カ国協議共同声明に沿って、すべての核兵器の完全かつ検証可能な形での、廃棄や既存の核計画放棄を含む合意事項の履行を強く要請。(03年に脱退宣言した)NPTへの早期復帰や、IAEA保障措置協定順守も求める。

北朝鮮とすべての加盟国に対し、関連する核不拡散・軍縮義務を完全履行するよう要求。再検討会議は6カ国協議を断固支持し、外交手段により満足のいく形で核問題の包括解決を達成する決意を保持し続ける。

▽平和利用

一、国際協定を危険にさらさないとの前提で、原子力の平和利用の分野における各国の選択、決定を尊重。

一、発展途上国支援のための技術協力計画を強化。


[議長総括]

一、奪い得ない権利としての原子力エネルギーの平和利用を再確認。

一、核なき世界の実現を決意、核使用による人類への破滅的結果に深刻な懸念。


多くのメディアで、最終文書が、NGOなどが求めた『核兵器禁止条約』構想に初めて言及したことが評価されている。「核なき世界」の実現が明確な約束として改めて確認され、共通の目標として計画されたこと自体が大きな成果だ。ただし、核兵器を廃絶するという明確な表現にはなっていない。非核保有国側は、核兵器廃絶の工程表をつくるための国際会議を今年中に開催しようという提案していたが、、核保有国である米ロ英仏中が反対し、核兵器削減の成果を14年の準備会合で確認することに決まった。


そして昨日の8月6日、国連の潘基文(バンキムン)事務総長は、広島の平和記念式典に参加後、広島市内の国際会議場で核軍縮についての演説を行い、包括的核実験禁止条約(CTBT)の2012年発効を目指すことや、核廃絶に関する取り組みを評価する国連安全保障理事会の首脳級会合を来年から定期的に開催することなどを提案した。

CTBTは1996年に国連で採択され、クリントン政権で署名したが、上院で否決された。現在はオバマ大統領が上院に批准を勧めると表明している。NPT再検討会議の最終文書では、CTBTに関連して次のようなものが含まれている。

一、すべての核保有国は包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准に取り組む。

一、CTBT発効までの間、すべての国は核兵器爆発実験やいかなる核爆発も控え、CTBTの目的や趣旨を無効にするような行動も控える。既存の核兵器実験モラトリアム(一時停止)は維持される。

これについては、北朝鮮が2006年と2009年に核実験を強行してNPTを脱退したという経緯があり、条約を批准してからの強制力をどうするかという問題があるようだ。ウィキペディアによると、イスラエル、イラン、インド、インドネシア、エジプト、中国(アメリカと同様、批准に前向きな姿勢を見せている)、北朝鮮、パキスタンの9ヶ国が未批准であるため、2009年9月現在、発効していない。


また、同日、秋葉忠利市長は平和宣言で「2020年までの核兵器廃絶のためさらに大きなうねりをつくる」と誓った。これは平和市長会議の2020ビジョン(核兵器廃絶のための緊急行動)にかかげる目標で、2020年までにすべての核兵器を解体するというもの。潘基文(バンキムン)事務総長は講演の中で「平和市長会議の掲げる2020年までの核兵器廃絶という目標は、完ぺきなビジョン」と述べた。

平和市長会議のHPを見ると、トップページにこのビジョンが掲載されている。
・ 核兵器の臨戦態勢の解除
・ 核兵器禁止条約に向けた実質的交渉の即時開始
・ 2015年を目標とする核兵器禁止条約の発効
・ 2020年を目標とする全ての核兵器の解体

この流れに、国連におけるCTBTの2012年発行を載せるとたしかに整合性がありそうだ。核保有国が隣国との軍事的な対立・緊張状態のために核兵器の臨戦態勢をつづけている状況をいかにして緩和するか、というとてつもなく大きな難関があるのだけれど、被爆国である日本が世界の中で背負っている役割は、核兵器の恐ろしさのみならず、それを使用することが結局は破滅をもたらすという強いメッセージを発し続けることだろう。

「核情報」HPで見つけたレーガン大統領の言葉にこんなのがあった。
「核戦争は勝つことができないものであり、決して起こしてはならない。」


非核三原則
「核兵器を持たず、作らず、持ち込まさず」という非核三原則は、毎年この時期、政権に問われる。産経新聞の昨日の記事によると、仙谷氏は秋葉市長が非核三原則の法制化を求めたことについて「菅内閣としては非核三原則を堅持する方針に変わりはないが、わが国の重要な政策として内外に十分、周知徹底されている。法制化の必要はない」と語ったそうだ。言うべきことを言う立場と、言える範囲のことを言う立場の違いなのかもしれない。核廃絶を訴えつづける使命を帯びる役割と、安全保障の責任者との違いと言い換えられるかもしれない。いずれにしても、この緊張感のあるやりとりが毎年のように繰り返されること自体に意義があるのだろう。
核兵器という破滅的な兵器による抑止力が東アジアの安全保障にどのような影響を及ぼしているか?世界中の核拡散というリスクに悪影響を及ぼしていないか?という問いも浮上してくるだろう。核兵器をつくるなというメッセージは、こちらが核兵器に頼らないという事実をもって初めて内実をともなうのではないか?いや、それはまだ早計だから、もっと着実に核兵器廃絶の世界的な気運を高めて、核兵器開発という道ではかえって生き残れないという状況をつくりあげる十分な準備が必要だ、ということならそれをやろうということになるのではないか?


被爆者補償
厚労省のHPに被爆者手帳の交付条件があり、原爆が爆発したときに市内など特定地域にいた人、その後2週間以内にその地域に入ってきた人、被爆者救護や死体処理をした人、それらの人たちの胎児であった人が対象になっている。現在の補償には、医療費自己負担分が国費に賄われ、原爆症と認定されると医療特別手当として月額137,430円が支給され、一定の疾病にかかると月額33,800円の健康管理手当の支給、希望者には原爆養護ホームへの入所が認められるといったものがある。原爆症認定訴訟では、裁判所から国に対して、認定基準を見直すよう命令されることがあった。

広島市によると、全国の被爆者数は今年3月末時点で22万7565人で、前年より804人減少。平均年齢も76.3歳と、0.4歳高齢化している。厚労省による被爆者補償の全額は平成22年度予算で約1,550億円。原爆症認定患者は6,367人で補償総額は約181億円。健康管理手当の認定は約196,000人で補償総額は約829億円。被爆者手帳所持者には無料で年2回の健康診断があり、希望すれば更に2回受診できる。これは全国どこに住んでいても受けられるもので総額約28億円の予算がついている。医療費自己負担分の国費補償は約376億円。その他にも無料相談や福祉サービス、葬祭費などを加えると年間で約1550億円になる。全国で起きた原爆症認定訴訟の判決で裁判所からの命令にしたがえば、国が当てるべき予算はさらに増えるはず。


国が世界に向けて核の廃絶を訴える意義は、「唯一の被爆国」であるからだとするならば、その役割は原爆の被害がどのようなものであり、多くの人々をどんなに苦しめ、どれだけの費用がかかるかということを、ちゃんと実践して示すことが重要になるだろう。そうした取組みを行い、公開すること自体が抑止力になるのではないかと思う。アメリカで核戦力の維持・管理に年間7,400億円を費やし、日本で被爆者補償に年間1,550億円でも足りないという事実と、一発の核攻撃が戦争賠償の立場を逆転させかねないという国際世論が抑止力となり得るのであるならば、アメリカのにとって日本の謝罪要求はむしろ世界戦略にかなっているのではないだろうか。