今月からはじめたリラクゼーションのバイト

 

ようやく身についてきた

 

 

お客さんには

 

重度の肩こり、腰痛が多い

 

先輩方は鉄板系と呼んでいる

 

 

それゆえ

 

指をつぶして去っていった同僚もいたとか

 

 

だがしかし

 

だからこそ

 

「ここで鍛えてやっていけたら、どこにいっても通用する」

 

という

 

 

逆にいえば

 

僕の手技はまだ通用しない

 

 

院長は僕を見てイライラ

 

お客さんに施術中でも遠慮なくアドバイスしてくる

 

いや、

 

アドバイスというより命令に近い

 

「自分のやり方全部棄ててください」

 

と、中国人のイントネーションできっぱりいわれた

 

 

というわけで

 

ここ数日特訓をうけており

 

終電に乗り遅れてビデオ試写室に泊まることもあった

 

 

そんなところへ今日

 

見覚えのあるお客さんがやって来た

 

 

先日

 

肩と背中を思い切り強く揉んでほしいと言ってたお客さん

 

でも、僕の揉み方では不満そうな顔を露骨にされたのだった

 

 

でも、今日の僕は先日の僕とは違う

 

うつ伏せのお客さんに馬乗り状態で全体重を指にかけて押した

 

指が痛くてしびれてたまらないけど

 

お客さんは「いい感じ」と言ってくれた!

 

最高にうれしかった

 

 

でも、今度はなんだか

 

どうみてもそんなにマッチョでもないのに

 

こんなにも強揉み希望なのか・・・?

 

 

このお客さんはよく見るとアトピー性皮膚炎

 

肩と背中のあたりに「感覚がなくなってる」と症状を訴える

 

ときおり鼻をすすってる

 

その音声からして普通の鼻炎でもなさそう

 

 

でも、ここは治療院ではない

 

あくまで

 

お客さんの主訴のとおりに揉む揉む揉む

 

 

僕は自分の全体重をかけて思い切り揉むけれど

 

どうして、こんなにも、こんなにも・・・と思えてくる

 

 

しだいに

 

お客さんの身体のつらさが自分の手に伝わってくるように感じる

 

 

自分の指が痛くてしびれるのなんか

 

どうってことないんだと思えてくる

 

 

そして

 

なんだか

 

自分の目に涙が滲んできた

 

 

僕の手の辛さがお客さんの辛さで

 

お客さんの辛さが僕の手の辛さ

 

なのか・・・?

 

よくわからない

 

 

とにかく

 

現場を知らないまま

 

専門教育から入ったこの世界で

 

初めて

 

共感することができたのかもしれない