今日は「チェンジリング」という映画を観た


舞台は1928年のロサンゼルス
ロス市警が汚職まみれだった時代


行方不明になった息子が見つかったというので
マスコミが群がるなか再会すると見知らぬ子供
でもその子供はママと叫んで抱きついてくる


5ヶ月経ったので身体に変化があったなどと警察に言いくるめられる
その子には住むところもないので家に連れて帰ると
割礼されてるし身長が7センチも低いにもかかわらず
警察から派遣された医師は
ストレスで身長が縮むことはよくあるなどとデタラメを言うばかり


そんななか教会の牧師から電話が鳴った
新聞であなたのことを読んだのですぐに会いたいという
毎日ラジオ放送でロス市警の犯罪を暴く活動をしている牧師は
警察がどんなことをする連中かおしえてくれるが
警察と闘うつもりはない、息子をさがしたいだけ
と母は答える


その日から母は闘いはじめる
歯科医に行って子供をみせると明らかに別人だと証言
学校に行って教師に子供をみせるとまた別人だと証言
マスコミに発表して警察への疑惑が広まる


するとロス市警の担当警部から呼び出される
改めて息子を捜してほしいと抗議したが
息子はもう見つかってる!
快適な独り暮らしだったところにまた息子が戻ってきて
ストレスがたまってどうかしてるんだろ!
などと暴言を吐かれてその場で拘束
病院の精神病棟に強制収容されてしまう


そこは警察の都合で勝手に収容された「患者」が多い
警察官の夫に暴行された女性
兄弟が警察官に腕を折られて訴えた女性
売春相手から暴行を受けて訴えると警察官だったという女性
微笑んでも落ち込んでも真顔でいても病気と診断されてしまう


医師からは書類にサインしろと迫られる
「自分の子供に相違ありません」と書いてある
ウソの書類にサインしない限り出ることができない・・・




悲嘆にくれながらも決して自分を見失わない母
黒く濃いアイラインを滲ませても零れない涙
アンジェリーナ・ジョリーのさりげない芝居


クリント・イーストウッド監督の作品は
いつも完璧な色調で画面を落ち着かせながら
芝居では地味なところで大胆な冒険をしてくれる


後ろめたさから逃れて弾丸のようにウソを重ねる警部の目

気合いを入れ自己暗示をかけて瞳孔がかっと開くところ

あの微妙な芝居は現実に忠実で斬新だと思う


珍しく正義漢を演じるマルコビッチも存在感たっぷり




息子をさがしつづける母
どこまでもウソを重ねる警部
警察のいいなりでしかない医師
どうでもいいマスコミ
命がけで闘う牧師


物語の転機は一人の刑事によってもたらされる
警部の指示に逆らって仕事を進めると・・・



実は・・・これが実話だというから驚き!



現場の刑事にとってみれば
上司が正しいとは限らないし
マスコミが正しいとも限らない
偏見や社会通念にも惑わされることなく
自分の頭で考え自分の勘を頼りにするしかないだろう





続けてもダメ/変わってもダメ
両側のダメで挟まれる苦しさ


相反する2つのダメが交互に突きつけられると
人の心は失調しやすい



でも同時に示されると
自分の位置が確認できてかえって安定することがある
このことは昨日から体験している