「本当に長い間ありがとうございました」。今シーズン限りの退任を表明したプロ野球ソフトバンクの王貞治監督が24日、本拠地ヤフードーム最終戦後のセレモニーで別れを告げた。「夢をありがとう」など色とりどりのプラカードが掲げられたスタンドからは、半世紀にわたる野球人生に区切りをつけた”世界の王”に惜しみない拍手が送られた。
 Bクラスが確定したゲーム後、王監督は小走りでナインが並ぶマウンドへ。帽子を脱ぎ四方向で深々と一礼し「皆さんと夢を分かち合えなかったことは監督の責任」と厳しい表情でチームの不調を謝罪。「来年以降は若い力が花開く。新生ホークスの応援をお願いします」と力をこめた。

 日経新聞朝刊の社会面から。王さんといえば、ホームラン世界一になった756本目を打ったときの記憶が未だに鮮明に残ってる。あの一本足打法から美しいスウィング。打った瞬間に手応えがあり、ゆっくり足を進めながら、打球が外野スタンドに吸い込まれるのを確認。白鳥のように両手を広げて歓喜しながらダイヤモンドを駆けていった。筆者が子どもの頃に誰でもみんなが一緒にみることができる大きな夢だった。
 現役引退後、監督として活躍する王さんについて印象深いのはその真面目さ誠実さ。チームが不調なとき、帽子の裏に「忍耐」と書いて挫けることなく気を引き締めて戦っていた。昨日の最終戦で負けて「監督の責任」と引退の辞で述べるところも王さんらしい。何があっても微動だにしない孤高の存在だからこそ、ひたむきにフェアにがんばれるんだと思う。
 胃を全摘して体調不良を抱えながらもファンサービスに手を抜くことなくたくさんの人に夢を与え続けた王さんに脱帽して御礼申しあげます。