日経新聞朝刊社会面より。東京都豊島区雑司が谷のマンホール内で作業員5人が流された事故で、作業員のひざ下約30センチだった水位が10分間で腰の付近まで急上昇していたことが5日、警視庁捜査一課などの調べで分かった。「鉄砲水が来た」との証言もあり、同課などは強い雨で下水の水量が増し、作業員が逃げ遅れたとみて安全管理体制が適切だったかどうか調べている。

 流された5人のうち現場監督の大島浩さん(49)は現場から約3㎞離れた文京区の神田川で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認。警視庁と東京消防庁は、近くの都下水局のポンプ所でも男性1人の遺体を発見、不明となっている寺井誠さん(44)とみて確認を急いでいる。
 小路は竹中工務店の子会社、竹中土木(江東区)が請け負い、北立建設工業(千代田区)と橘技建工業(足立区)が担当。大島さんは北立建設、寺井さんは橘技建に勤めていた。ほかに流されたのは橘技建の浜田彰さん(29)、松尾隆治さん(31)、遠藤博昭さん(38)の3人。
 竹中土木などの説明によると、工事は午前9時に開始、地上で同社員2人が監督、下水道内で6人が作業していた。午前11時ごろ雨が降り出し、同40分ごろには30㎝だった水位は腰付近まで上昇。その直後に同社員が「上がれ」と指示したが、作業員5人が流されたという。
 一緒に作業して自力で脱出した男性作業員(25)は警視庁の事情聴取に対し、「鉄砲水のようなものが急にやって来た」と話しているという。
 下水道管はマンホールから約1.5メートル下にあり、幅約2メートル、高さ約1.5メートルの長方形。作業は地面を掘り起こさずに下水道管の内側を樹脂などで補強する「SPR工法」で、通常の工法より大幅に施工費を減らせるとして普及し始めている。

 大雨洪水注意報はなぜ現場に伝わらなかったのか――。注意報の発令後も作業は約15分間続けられ、その間に下水道内の水位は一気に上昇、作業員らを飲み込んだ。
 工事を請け負う竹中土木は「注意報が発令されれば作業を中止する決まりだが、今回は突発的な集中豪雨のためリアルタイムで発令を把握できなかった」と説明する。
 同社によると、台風などの事前情報があれば、本社や現場近くの作業所で情報を確認し、中止を指示する。しかし、「朝の天気予報に事前情報がなかったうえ、短時間にこれだけの雨量は想定外だった」と説明している。
 本社でも中以上の発令を把握していなかったが、同社は5日夜の記者会見で「あまりにも局地的な豪雨で予測は不可能だった。安全管理体制に問題があったとは思っていない」と繰り返した。


 昨日は関西でも大雨・洪水警報が出まくっていた。先日の神戸での事故があったので早め早めにだしているのかと思った。そしたら東京でこんなことになってた。亡くなられた作業員のみなさんのご冥福をお祈りします。
 局地的豪雨が頻発しているのでこれからはいろんなところで注意が必要だと思うが、豪雨がきたらすぐに仕事とめて引き上げるなんてなかなかやってられないだろう。でも、こうして人が亡くなることによって、会社も管理体制と労働安全面を改めることになる。労働条件の悪化を来さずに安全管理が図られるようになるために人柱となった人がいると思うと、本当に人間どうし適切な合意を迅速にはかるというのは難しいものだと改めて思う。犠牲者が出る前に必要な判断、合意をするというモデルを改めて考えさせられる。