北朝鮮は26日午後、核問題を巡る6カ国協議の議長国、中国に各計画の申告書を提出した。これを受け米政府は北朝鮮へのテロ支援国家指定の解除を議会に通告し、対敵国通商法の適用とりやめを決めた。核計画申告などを柱とする核放棄の第二段階は完了へ前進した形で、中国は半年以上の休眠状態にある6カ国協議の早期再開へ主席代表会合の開催調整を急ぐ構え。

 拉致被害者の家族からは落胆と失望の声が上がった。日経新聞朝刊によると、外交問題の難しさに一定の理解を示しつつも、不信の矛先は「解除」を事実上容認した日本政府にも向かった。
 家族会代表で、田口八重子さん(失踪当時22)の兄、飯塚繁雄さん(70)は「自分たちと相当離れたところで物事が決まることにむなしさを感じる。テロ支援国家指定は(拉致問題解決の)大きなカードになっていたはず。日本政府も制裁を解除していけば、何を持って交渉するのか。交渉力がすごく弱くなっている」と不安を口にした。
 横田めぐみさん(失踪当時13)の母、早紀江さん(72)も「外交はデリケート」と理解を示しつつも「テロ指定解除は早すぎだ。非情に残念」と繰り返し、「拉致問題も核も同じように重要な問題。国民を助けることができない国とはいったい何なのか。日本政府は期待を裏切らないでほしい。今後は本当に真剣に取り組んでほしい」と悲痛な表情を見せた。
 松本京子さん(失踪当時29)の兄、孟さん(61)は「なぜ米国はそこまでハードルを下げて米朝協議を進める必要があるのか」といらだちを隠さなかった。
 有本恵子さん(失踪当時23)の母、嘉代子さん(82)は「米国のテロ指定解除に歩調を合わせた制裁解除は絶対にしないでほしい」と訴えた。

 拉致被害者のご家族のみなさんにとっては、またしても・・・と思う政治場面。20年もの間訴え続けてきた胸中は、はかりしれない。マスコミやブロガーなどは、これからも拉致被害者のみなさんとそのご家族のみんさんに寄り添って情報発信していく必要があると思う。一方、政府にはこれから切り替わっていく、6カ国協議において、残された制裁内容と、これから交渉議題にのぼってくる技術支援をカードとして活用しながら、粘り強く柔軟に交渉を展開していってほしい。対立を軸にそれぞれの役を演じながら、拉致問題を解決する可能性を広く探っていこう。