日経新聞朝刊によると、経済産業省原子力安全・保安院は、原子力発電所の定期検査の間隔を現行の13ヶ月から欧米並みの最大2年間に延長する制度を年内にも導入する。実施されれば、原発の稼働率向上と二酸化炭素の排出削減につながる。
 保安院は、24日の総合資源エネルギー調査会(経産省の諮問機関)の検討会で、定期検査に関連する省令改正案を提示。井パンから意見を募集し検討したうえで実施する。
 定期検査は全原発で一律13ヶ月おきに重要設備を点検する制度。改正案では13、18、24ヶ月以内という3種類の期間から電力会社が原発の状態に応じて検査間隔を選び、保安院の認可を受ける。原発の老朽化に備えて長期的な点検計画の提出なども義務づけ、安全性を確保する。
 保安院は2006年に定期検査間隔の制度改正案を公表したが、原発の立地地域から「安全性が損なわれる」との懸念が出たため、導入を延期していた。保安院は13ヶ月という検査期間に「科学的根拠はなかった」と主張。新制度で安全性は向上するとしている。
 保安院はこれまでに百数十回にわたる地元説明会を実施、「おおむね了解を得た」(原子力発電検査課)と判断した。ただ地元の声に配慮し、電力会社が選べる検査間隔は当面は18ヶ月までとし、24ヶ月間隔の導入は制度改正から5年後とする。
 保安院は今回の制度改正を「あくまで安全強化が目的」としているが、連続運転期間が最大2倍に伸びることで、原発の稼働率は向上し、コスト削減につながる見通し。燃料高で火力発電所の発電コストは上がっており、電力会社にとって燃料費削減は、二酸化炭素の排出削減とともに大きな魅力だ。

 政府は温暖化対策のため京都議定書の実行期間である08-12年度に原発稼働率を80%強にする計画。しかし電力会社のデータ改ざん問題や地震での原発停止などの影響で、最近は60%前後に低迷し、今年5月は51.1%にまで落ち込んだ。
 原発稼働率が1ポイント向上すると日本全体の二酸化炭素排出量を0.2%引き下げる効果がある。稼働率を欧米並みに上げれば5%前後の二酸化炭素大幅削減も期待できる。
 欧米では最大18-24ヶ月前後の検査間隔を導入しており、稼働率も米国や韓国では約90%と高い。また日本では検査自体に3-4ヶ月かかるのに対し、「韓国では1ヶ月と短い」(韓国水力原子力の金鐘信社長)という差もある。


 原発の定期検査を13ヶ月間隔から2年間隔に決定して、さらに検査機関も3ヶ月から1ヶ月にしていく可能性もあるということ。欧米並みの検査にしようと以前から住民に説明を重ねてきたとのこと。二酸化炭素排出削減という長期的な取り組みと、このところの原油高の影響とが背景で重なっている。原発をめぐる議論はかつてはよくなされていたが、近年はあまり活発ではない。環境問題、安全性の問題、地方と都市の格差、労働現場における安全・衛生問題とあり、何について語るのか?問題を整理しないでやや感情的になりがちだった原発問題だが、またよく考えて議論してみるタイミングかと思う。今度は理性的に。