日経新聞によると、後期高齢者医療制度の見直し案を、自民、公明両党と政府が決めた。4月から実施され、高齢者から「所得が低いのに保険料が上がった」などの不満が噴出しているため。この2ヶ月半、野党から酷評されているこの制度について、政府は一連の対策実施に法改正の必要はなく、政省令の見直しなどで対応しようとしている。

【保険料の軽減】
被保険者全員が年金収入年80万円以下の世帯について
均等割部分の7割を軽減してきたが、来年度から9割に=今年度は8割5分

年金収入が年153万円~210万円の場合
保険料の所得比例部分を5割程度軽減

【年金からの天引き】
国民健康保険の保険料を確実に納めてきた本人について
口座振替も可能に

年金収入が年180万円未満で世帯主の子どもや配偶者などがいる場合
世帯主の子どもや配偶者らが肩代わりして口座振替を可能に

「うば捨て山」「家族の分離」などという悪評が渦巻いているこの制度。基本的な考え方自体はどうなのか?筆者の自治体から送られてきた説明によると、これまで『医療分』と『介護分』の2本立てだったところに、『後期高齢者支援金分』が加わって3本立てになる。3本それぞれについて『所得割』『均等割』『平等割』で計算、合算した分を負担してくださいという。医療の給付に要する費用は、公費が約5割、高齢者一人ひとりに負担していただく保険料が約1割、残りの約4割を現役世代からの支援によりまかなうことになる。この現役世代からの支援が、今回新たに医療分から分割賦課されることになった「後期高齢者支援金」である。これは、これまでも「老人保健拠出金」として高齢者の医療費の一部を支援してきた部分に相当するが、公平でわかりやすくするために制度変更した、となっている。
 たしか、70歳以上にかかる医療費は、生まれてから70歳になるまでにかかる医療費と同じくらいらしい。病院で臨終するのが普通になり、さらに高齢化した日本社会で必然的に生じたことだと思う。だから、現役世代が高齢者の医療費を支援するしくみにするのは当然だといえる。そして、それをわかりやすい制度に改めようというのも当然やるべきことだ。問題は、制度設計する際にどういう調査をして、それをどのように分析したか?それを基にみんなの負担をどのように配分するか?さらにその結論をいかに説明してきたか?こうしたところから見直しておかないと、結局自治体の現場においてまた同じトラブルが継続するんじゃないかと思う。