大きなものが
かわいくみえる
そんな船に乗ると楽しい

別府行きのフェリーは
そろそろ松山に寄港する

眠れない2等室を出て
甲板に上がると
黒い海が広がる

遠くには漁船の灯り
皆それぞれの仕事に
命をかけている

冷たく当たる風に負けじと
気を引き締めて歩き
手すりにとりつく

見下ろすと黒い海原に
白い水しぶきが次から次へ
船尾に残されていく

落っこちたら
いっかんの終わり

広くて深い暗い海に
自分を小さくされる
恐怖感と

吹きつける潮風に
全身が洗われる
爽快感の間で

心で踏ん張る

だから
船旅は好きなのだ