薄暗いバーだった。
フロアにはもちろん、カウンターの中にも人はいなかった。
カウンターの奥からではなく、店員は普通のドアから入って来た。
薄暗い店員だった。
手招きされてそちらへ行く。
真っ暗の5メートルくらいの通路を抜けて出たのもまた薄暗い部屋。
そこでその薄暗い店員と少しだけ話した。
あなたは2杯飲んだので8千円だと言われた。
財布の中を思い浮かべたが6千円ほどしか見当たらない。
足りない、どうしよう、と悩んでいた頭の中は見透かされていて、「どうする?」ときかれた。
黙っていると奥から女の子が出てきた。
薄暗い店員が預かっている子、姪っ子らしかった。
その子を連れ薄暗い店員はまた奥に戻ってしまった。
ひとりで途方に暮れていたら目が覚めた。
ひたすら薄暗い、ぼんやりとした夢だった。