トイレの閉ざされた空間で、彼は腰の奥にたまった重い疼きをただ解消したかった。
性的な興奮はなく、思考は淡々と、ただ身体の疼きや圧迫感を解消することだけに向けられる。
手が男性器に触れ、摩擦を繰り返す。
刺激によって脊髄反射が誘発され、精液が静かに水面に垂れ落ちる瞬間、何の陶酔も、心地よさも感じない。
ただ、体内の圧迫が少し緩むだけだ。
腰の奥の緊張がわずかに和らぐのを感じながら、彼は男性器の先端から垂れ落ちる精液を無表情で眺める。
意識は冷静で、感情の起伏はない。
行為そのものは単なる排泄の延長であり、心に浮かぶのは淡々とした解放感だけだった。
脊髄反射として誘発しただけの射精には快楽はない。