歯周病治療のブログはいよいよ佳境に入ってきました。各種検査を経てエアフローによる歯牙表面のバイオフィルム除去が終わり、いよいよスケーリングの段階へと進んできました。実際の臨床では恐らく2日目以降に相当します。
スケーリングとは歯石除去のことです。英語のScalingの原型はscaleで皮、うろこ、汚れをこそぎ取るというような意味があります。つまり、歯石を歯の表面から剥がすということを表します。歯周ポケットの浅いところ、すなわち歯肉の縁から約1~3㎜位までを超音波スケーラーや時にハンドスケーラーを用いて歯牙表面を傷付けない範囲できれいにします。
実際の症例として、ここでは下顎前歯の裏側にべったりと付着している白い歯石をご覧頂きます。白い歯石を放置すると歯根の表面がざらざらになり、更に細菌が溜まり易くなります。その結果、白い歯石の下方には酸素が少ない場所が出来て嫌気性菌が繁殖します。そのため黒い歯石が発生してきます。
(術前)
白い歯石がべったり
(術後)
きれいになりました
おしまいにスケーリングでの使用器具をご紹介します。
▶ハンドスケーラー・・・スチール製スケーラー先端部に刃が付いていて歯石をこそぎ落します。ピンポイントでのスケ―リング時に効果的です。歯石が取れたか否かの判定が指先の感触から分かり易いのが利点です。以前は歯周病治療の主役でしたが、欠点としてセメント質を傷付けてしまうことがあるので出番が減って、ココ一番の時にのみ使用します。
▶ピエゾタイプ超音波スケーラー・・・毎秒28,000~32,000ストロークの振動を歯表面に当てその微細振動で歯石を粉砕します。当然摩擦熱が発生するので冷却水をかけます。冷却水には気泡が発生し、気泡が破裂する際のエネルギーで除菌と、空気を歯周ポケット内部に送り込むことで嫌気性菌の活性を弱めることができます。超音波スケーラーにはマグネットタイプとピエゾタイプの2種類がありますが、このピエゾタイプの方が歯の表面を傷つけず痛みも少ないです。また、歯根表面のセメント質を傷付けないという目的においてはハンドスケーラーより優れた効果が期待できます。九段ブルー歯科ではNSK社製バリオスとEMS社製ピエゾンの2種類のピエゾタイプ超音波スケーラーを使い分けています。
歯周病が進行し、歯周ポケットが6㎜以上のところに対しては歯周内視鏡を駆使し、ペリオフローによる根面デブライドメントおよびピエゾタイプ超音波スケーラーで対応します。また時には歯周外科手術で対応します。これについては回を改めて解説させて頂きます。



