さて、こちらは歯周病菌が関与するメチルメルカプタンが検出されたケースです。このガスはキャベツが腐ったような生ゴミ臭ですので重症になると患者さんのQOLに影響します。

 

 

横軸は測定時間を表します。

◆15秒経過時点での波形は雑ガス(水素・窒素・メタン・一酸化炭素等)を表しますので口臭ではありません。

◆30秒付近の波形は硫化水素で舌や口腔内の汚れがある際に発生する口臭です。

◆45秒付近はイソプレンの口臭の存在を示します。肝機能状態や脂肪代謝に関係すると言われています。

◆75秒付近はメチルメルカプタンの口臭を表し、歯周病やたくさんの虫歯がある際に増加します。

◆125秒付近はジメチルサルファイドです。消化器系疾患や内服薬服用中に増加する口臭と言われています。

◆160秒付近はアセトアルデヒドです。二日酔い時やアルコール系薬物摂取時に現れます。

 

 

 

 

 

【結論】

 この患者さんには明らかな口臭があります。残念ながら硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドと3種類のガスが検出されてしまいました。現在鎮痛剤を服用中とのことでしたのでジメチルサルファイドはその影響でしょう。また硫化水素は舌を磨いて頂くだけで解決しますのであまり気にされなくても良いかと存じます。

 

問題なのはメチルメルカプタンです。メチルメルカプタン発生原因に歯周病原因菌であるポリフィロモナス・ジンギバリス(P.g.菌)/フソバクテリウム/ソロバクテリム・ムーレイの存在が知られています。特にP.g菌は毒素を放出し、歯周ポケットに潰瘍を作り、止血を阻害します。また全身疾患との関連も強く疑われます。

 

検出されたメチルメルカプタン濃度は低く、X-ray所見での顎骨吸収は軽度でしたので現状は深刻な状態ではありませんが、これが持続すると歯周病の悪化が予想されます。

 

このケースでは全顎にわたるバイオフィルム&歯石除去、ブラッシングの強化、3か月に一度のメンテナンスで対応致しました。