今日ご紹介するのは、バッド・ベティカー監督の「海底の大金塊」 (1953年、City Beneath The Sea)である。日本では劇場未公開だが、TVでは放映された。

ジャマイカを訪れたサルベージのプロであるブラッド(ロバート・ライアン)とトニー(アンソニー・クイン)。

ドゥワイトという男(カレル・ステパネック)から、金塊を積載して難破した船の捜索を請け負う。右はウディ・ストロード。

現地で知り合ったテリー(マーラ・パワーズ)から船を借りる。

ブラッドは、これがきっかけでテリーと恋仲になる。

一方のトニーも、クラブで酔客に絡まれていたクラブ歌手を助けようと乱闘になり、

歌手のベニータ(スーザン・ボール)につきまとわれるようになる。

沈没した船は一向に見つからないまま仕事は終了する。しかし、実は公式に捜索を打ち切るためのドゥワイトの作戦であり、後でミード船長という男と金塊を分け合う予定になっていた。

ところが、ミード船長(ジョージ・マシューズ)はトニーに協力を依頼し、ドゥワイトは金塊を独り占めするためブラッドに協力を依頼する。

船が沈没した場所は250年前に住民とともに沈んだ海底都市であり、近隣の海の男たちは怖がって誰も近づかない領域であった。そんな中、ブラッドが海底都市とともに金塊も見つけるが、都市が崩れ海底で動きが取れなくなる。

船上でも金塊の欲にまみれた男たちが戦っていた。

ロバート・ライアンって、個人的には主役オーラを感じられない俳優だと思うのだが、アンソニー・クインとのコンビネーションは素晴らしく、ライアンも生き生きして見える。

こぢんまりとしたアクションの小品だが、見せ場である海底シーンが暗くダイナミクスに欠けるため地上・水上のシーンほどには盛り上がらない。

主役の2人にそれぞれ相手役女優を絡ませるなどの工夫も凝らすが、日本では劇場公開には至らなかったのも頷けるような一作であった。