やっぱり70年代の映画を紹介しないと何となく落ち着かないので、今日は「マックＱ」(McQ、1973年)をご紹介したい。監督はジョン・スタージェス、音楽はエルマー・バーンスタインで、「大脱走」「荒野の七人」のコンビだが、

主演はジョン・ウェインで、シアトル警察の刑事ロン・マクヒュー(通称マック)を演じる。これが当たり役だったのか、ウェインは、この作品に続いて、「ブラニガン」でも刑事役を演じている。同僚のボイル(ウィリアム・ブライアント)が射殺され、事件の真相を究明しようと、

麻薬王（アル・レッティエリ）を痛めつけるが、

その後、上司であるコスターマン警部（エディ・アルバート）から事件から手を引くよう命じられる。

辞表を出したマックは、探偵事務所の友人(デイヴィッド・ハドルストン)を頼って私立探偵として単身、事件を追い続ける。

殺されたボイルの妻に、ダイアナ・マルダー

同僚にクルー・ギャラガー、ジム・ワトキンスなど。

マックの元妻には、「怒りの河」のジュリー・アダムス、その夫にリチャード・イースタム。

ボイルをよく知るバーの女にコリーン・デューハースト。

本作の前に作られた「ダーティハリー」に負けじと、イングラムM10短機関銃を運転席からぶっ放す。当時のチラシやポスターには
“68年「ブリット」、72年「ダーティハリー」、そして74年大物刑事「マックQ」がやってくる”

とか、
“〈裸の町〉シスコはダーティハリーとブリットにまかせた！〈無法の町〉シアトルは俺が1人で引き受ける！”
など、日本では結構他の刑事ものを意識したコピーになっているようだ。

街中のカーアクションはブリットの二番煎じになると考えたのか控えめ。その代わりに、クライマックスでは浜辺でのカーチェイスシーンを用意する。

特典映像では爆薬で車を浮かせて横転させるカースタントの撮影の様子を紹介している。

「警部マクロード」などTVものが多いダイアナ・マルダーは、あまり有名でなく目立ちすぎず、主役を引きたてながら映画に華を添える存在。そういえば、「ブラニガン」のジュディ・ギーソンもそんなイメージでした。

闘病していたウェインはこのとき66歳だが、引退するまでまだ10年あり、今の私より全然年上なのに、溌剌としたアクションを見せる。むしろ私に元気がなさすぎるように見えるほどだ。しかし、西部劇のカウボーイが現代劇の刑事になっても、男気溢れるキャラクター自体は変わらない。スケールの大きな作品ではないが、ジョン・ウェインがまさに適役の骨太な刑事アクションになっている。

骨太と言えば、私は骨細で、年齢とともに筋肉が落ちて、見かけは太っていないのに体脂肪率が高くなっていく。、だから、骨太な映画に憧れるのかな。なんのこっちゃ。