今日ご紹介するのは、マイケル・カーティス監督の「ヴァジニアの血闘」(1940年、Virginia City)である。
南北戦争の真っただ中、北軍のケリー・ブラッドフォード大尉と2人の部下が南軍の捕虜収容所から脱走し、ヴァージニア・シティに向かう。
一方、南軍のシンパたちが困窮を極めている南部のために500万ドルの金塊を送る準備をしていた。南部連合の大統領は、ヴァージニアシティの金塊を回収し安全に届けるために南軍の捕虜収容所の所長であるアーヴィ大尉を派遣する。
北軍が警戒している中、無事に町から脱出して金塊を届けることができるのか、北軍の騎兵隊が猛追するだけでなく、金塊を狙う盗賊ジョン・マレルとの三つ巴の闘いとなる。
南軍の捕虜収容所の隊長にアーヴィ大尉(ランドルフ・スコット)。
南軍を救うために密使役を務めたジュリア・ヘイン(ミリアム・ホプキンス)。
捕虜収容所から脱走した北軍のブラッド大尉(エロール・フリン)は、ヴァージニアシティに向かう駅馬車の中で出会ったジュリアに恋をする。
同じ駅馬車に乗り合わせたのが、盗賊団の首領のジョン・マレル(ハンフリー・ボガート)。デビューして10年経ってはいるが、かなり胡散臭い雰囲気だ。
ヴァージニア・シティでジュリアに再会した北軍のブラッド大尉は、彼を捕らえて収容所に入れた仇敵である南軍のアーヴィ大尉とも顔を合わせることになる。
ブラッド大尉の部下に、グイン・ウィリアムス(左)とアラン・ヘイル。
南軍の一行は金塊を横領しようとする盗賊団に狙われるが、
北軍のブラッド大尉は、任務を一時中断して、彼らを救うために共に戦う。負傷して死んだアーヴィに代わって戦闘の指揮をとったブラッドだが、
金塊を守るためダイナマイトを仕掛けて岩山に埋没させる。ブラッドフォードは金の在処を語ろうとせず死刑を宣告されるが、ジュリアのリンカーンへの嘆願により救われ、2人は結ばれてジ・エンド。
ラストはちょっと甘すぎるかな、と思うが、敵の大尉同士の友情を中心に据えながら、アクションシーンも散りばめられ、ほどよくまとまった一作だ。ランドルフ・スコットは、例によって真面目な正義の男を演じるが、エロール・フリンの男臭さやハンフリー・ボガードのニヒルなワルのほうが活き活きして見えるのが、こういう映画の常。ジュリアも「アーヴィ大尉はいい人なんだけど、ブラッド大尉のほうが女心をくすぐられる」と思うんだろうね。私も、女性にはモテたためしがないが、あまりに真面目過ぎるからだろうな(って、どこが?)