160725

念のため、私の妻は日本人です。


さて、金曜日はセッション、土曜日はライブ、日曜は結婚パーティで、3日連続で演奏しました。その合間を縫って仕事をしたり長男夫婦が遊びに来たりと慌ただしい週末だったけど、暑さが少し和らいで助かった。




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功夫、武侠もの、西部劇の紹介がメインの私のブログだけど、今日からはフィンランドのアキ・カウリスマキ監督作品をいくつか続けて紹介したい。唯一無二の独特な世界と演出センスを持った彼の作風は、好き嫌いの分かれるものだと思う。私はというと、見事に波長が合うようで、シンプルなスタイルの中にも味わいがあり、セリフやカットの間合いから1つ1つの映像に至るまでに様式美を感じる。ドラマチックとは対極の撮り方でさらりと人生を描く佳作ばかりである。




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本作の舞台は1960年代。主人公のヴァルト(マト・ヴァルトネン)は、40代になっても母親(イルマ・ジュニエイネン)に子供扱いされる仕立て屋の息子だ。




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友人である修理工レイノ(マッティ・ペロンパー)も同世代で独身。革ジャンにリーゼント、常にウォッカのボトルを手放さない男だ。コーヒー中毒の主人公とは全編にわたってこんなシーンが登場する。この2人が日常を捨てて旅に出る。



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途中で出会うのが、ポッチャリのロシア人クラウディア(キルシ・テュッキュライネン)と、対照的に痩せているエストニア人のタチアナ(カティ・オウティネン)。



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彼女らを港まで送る道中を描いたロードムービー、と言ってしまえばそれまでだけど、女性に縁のない風変わりな独身男2人が女性と行動を共にするんである。



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その会話からホテル宿泊まで、オールディーズやロックをBGMに、カウリスマキ独特のタッチで綴られる。



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ホテルの女支配人を演じたエリナ・サロをはじめ、カウリスマキ監督作品には頻繁に登場する俳優たちが顔を出す。



私が初めて出会ったカウリスマキ作品は62分の小品だが、いやぁ、やられました。映画好きにはたまらない素敵な映画である。こういうの大好き。次回以降も引き続き他の作品を紹介していきたい。



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