Ｍ

今日ご紹介するのは、フリッツ・ラング監督の「Ｍ」(1931年)である。1920年代にドイツを騒がせた連続殺人犯を題材にしたラングの初トーキーらしい。

冒頭、小さな子供たちが殺人鬼を題材にした遊びに熱中するほど世間を騒がせていた殺人鬼だが、

幼い女の子ばかり狙われる。ちょっとしたカメラアングルなどもサスペンスを盛り上げる。

盲目の風船売りや浮浪者など、市民の協力を手掛かりに捜査を進める警視にオットー・ベルニッケ。

画面に映った瞬間に犯人だとわかる風貌と表情のペーター・ローレの怯えたような演技が印象的だ。

暗黒街の男にグスタフ・グリュントゲンス、少女にインゲ・ランドグット、母親にエレン・ウィドマンなど。後半は犯人を地下の人民裁判にかけるシーンになり、別に意味での怖さに転じる。

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