今朝の新聞で、依光隆さんが18日に86歳でお亡くなりになったことを知った。今日は電車に乗っていてもずっと涙が止まらない1日でした。依光さんは、文学の道を志して高村光太郎に師事したのに、30歳過ぎて画家になった方である。だから、「若いときは簡単に自分の将来を決めないで、何にでも幅広く好奇心を持っていろんなことをやれ」と、進路で迷っていた私にアドバイスをいただいたのが懐かしく思い起こされる。自宅兼仕事場は資料の山であった。本の中身を理解しなければ描けない挿絵画家として、当初志した文学のセンスも生かして活躍された人だと思う。



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日本を代表する挿絵画家である。ルパンにホームズ。我々の世代の子供時代は、児童書からSF、歴史ものまで幅広く活躍した彼の画で育ったようなものだ。



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中学時代はSF小説、高校以降はハヤカワ文庫のアリステア・マクリーンの小説の表紙など、いつも私たちの心をときめかせてくれた依光さん。当時広島にいた私は、地元の中国新聞の連載小説に彼が挿絵を担当したことかきっかけで、依光さんとの交流が始まった。お宅にもお邪魔させていただき、ご家族で歓迎していただいた。また、家出・駆け落ちで上京してきて、結婚式も挙げていない私たち夫婦を呼んで、新宿のお店でお祝いもしていただいた。



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食えないときは就職の心配もしていただき、手紙と年賀状だけのやりとりになってしまったが、独立したときは心から喜んでいただいた。体調も崩されたりして、ペリー・ローダンシリーズは、367巻までの担当となり、その後はほとんどお名前を見かけることも少なくなったが、とにかく、絵もお人柄も素晴らしい、日本が誇れる挿絵画家でした。



依光さんがいらっしゃらなかったら、私はまた違った生き方をしていたかもしれません。いろいろ教えていただき、本当にありがとうございました。



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