ここ2~3日忙しかったので、今日は映画や音楽ネタはお休みして、たまには違うこと書こうと思います。


猛暑が続くけど、実は先週、駅前のロータリーで人が倒れているのに出くわした。杖をついたお年寄りが転んで起き上がれなくなったらしく、年老いた奥さんではどうにもできない。昼間の人通りの少ない時間で、たまたま通りかかったらしい女性が介抱していたが、女性2人ではどうにもならず、そこに私が通りかかったんである。


数年前に倒れ、重度身障者になった私だが、今ではハンディを背負った方たちの多くと比べても、はるかに普通の生活ができている。私に向かって「起こすのを手伝っていただけますか」と言われるほど、見た目には健康的なんだけど、走ったり重いものを持ったりはできない。階段も坂道もダメなので、最近、心肺機能強化のためにスポーツクラブに通い始めた。折しも、その帰り道にこの出来事に出くわしたのである。


ちょっと自信がなかったんだけど、とりあえず私一人で男性を抱えあげて立たせることができた。「もう大丈夫です」と言われてその場を立ち去ったけど、家まで抱えて送り届ける体力の余裕があったらなぁと思わずにはいられなかった。一時期は電車の中で席を譲られたり他人に助けてもらう立場だったけど、今度は他人を助ける立場になって恩返しをして行こう、年寄りの1人くらい担げるくらいになろう、と思った次第である。


その決意を試すかのように、今日の昼間、炎天下の近所の道路で車椅子の青年を押したお母さんが倒れているところを、女房と2人で通りかかったのである。数百メートル手前のコンビニあたりで具合が悪くなったらしいが、車椅子の子供を放っておくこともできず、頑張って帰宅しようと無理をして、家に辿り着く直前でダウンしたらしく、明らかに熱中症の様子。マンションの部屋は目の前だが、道で横たわったまま歩くこともできないので、結局私がおぶって玄関まで行き、そこから抱きかかえて部屋まで連れて行ったんである。自分にそんなことができるとは思いも寄らなかったが、これが火事場の馬鹿力というのかな。


先週のおじいさんのこともあるけど、「助けられるのは自分しかいない」と思うと、もう何でもできるね。このあと、車椅子の青年も部屋まで連れて行って、今度は自分のマンションまで走って氷や水やタオルを取りに行って、再度引き返して青年の昼ご飯を作ってまた戻って……と、とにかく自分の身体のことは考える余裕もなかった。


心臓に負担がかかり過ぎて、帰宅してさすがにダウンしたけど、いろいろ考えさせられた1日だった。他人をおぶって歩いたりしたことが不思議で、女房に「試しにちょっとおぶらせて」と頼んだが、やっぱり火事場の馬鹿力だったということが判明しました(笑)。