今日ご紹介するのは、シドニー・ルメット監督の「狼たちの午後」(1975年)である。



公開当時、私の住んでいた広島では、この時期、どの映画館も面白そうな映画がかかっていて、まだ高校生で小遣いに余裕のない私は、東京より公開の遅れた「ハリーとトント」(同時上映はラッキーレディ)を見に行った。もう35年以上前の話で、記憶が定かではないが、ゴールデンウィーク前後で、「華麗なるヒコーキ野郎」、「風とライオン」、「グレートハンティング」などがこの時期に話題になっていたように思う。



そんなわけで、その後TV放映で見た私だが、DVDではTVでカットされていた多くのシーンが見られたし、今見るとタイトルクレジットから雰囲気が素晴らしい。



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アル・パチーノは、野沢那智さんの吹き替えもテンションが高かった。人質に取られた行員の女性たちも改めて、いいなぁと思う。


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この数年後に亡くなって、大変惜しまれたジョン・カザール。吹替えは岸田森であった。



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昨日も言ったけど、チャールズ・ダーニング(吹替えは冨田耕生)は大好きな俳優さんです。「メル・ブルックスの大脱走」などは彼抜きには語れないほどである。

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舞台に戻りたいし、ルメットは完ぺきな演技を要求するからと、最初はこの役を断ること考えていたアル・パチーノだが、舞台に戻ったかような演技ができたじゃないですか。



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わずかな出番ながら、アカデミー助演賞候補になったクリス・サランドン。


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このほか、息子の話をまったく聞かない母親役にジュディス・マリナ、FBI捜査官にジェームス・ブロデリック、銀行の支店長にサリー・ボイヤーなど。



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群集たちの行動や、強盗と人質の連帯感とその崩壊なども興味深く描かれている。



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まあ、そこを掘り下げて理屈っぽく云々するのはプロのの評論家に任せておこう。見る側からすれば、面白い映画ほど、語るべきことがないもんです。そう思いませんか?