今日の映画は、個人的には「はだかっ子」が印象深い、田坂具隆監督の「乳母車」(1956年)である。石坂洋次郎の同名小説が原作で、当時としてはおそらく斬新であっただろう不倫をテーマに、若者たちが当事者を巻きこんで解決しようとする話である。



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父親に愛人がいると知って、相手の女性の家を訪問してしまう娘を演じた芦川いづみは、当時24歳。



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その不倫相手が、新球三千代。私の知る限り、幸薄い女性の役が多い。



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その弟に、まだ23歳の石原裕次郎。姉の子供をあやしたり乳母車を押すシーンは、彼の出演作としても珍しい。


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父親には宇野重吉。妻のいる家族も大事だが、子供まで生ませた相手とも別れられない。



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その妻には山根寿子。夫に女がいるのは知っていて容認していたが、子供もいると知って、家を出て自立しようと決意する。



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結局、芦川いづみと石原裕次郎の若い2人が、罪のない赤ん坊の将来について話し合わせるため、全員が集まるよう画策する。新珠三千代は宇野重吉とは別れ、1人で子育てする決意をし、周囲がそれに協力することになる。時代を考えれば、不倫や女性の自立などをテーマにしただけでも随分斬新だが、最後は小ぢんまりとまとめ過ぎたかな。



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芦川と石原の2人が父親・母親のフリをして「森永赤ちゃん大会」に出場するシーンがある。こんな大会、本当にあったのかな。


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