先日の深夜TVで、以前見たウッディ・アレンの「夫たち、妻たち」(1992年)をやっていたので見た。ウッディ・アレンの映画って、若いころは無条件にいいと思っていたが、年齢とともにそうでもなくなった。そのときの精神状態によっては鼻につくこともあり、好きに人にはたまらなくいいし、イヤな人には絶対好きになれない世界なんだろうなと思う。


kazzpの音楽&映画-hasandwives01
主人公のゲイブ(ウッディ・アレン)はマンハッタンに住む大学教授で小説家でもある。


kazzpの音楽&映画-hasandwives02
出版社に勤める妻のジュディ(ミア・ファロー)とも円満な関係にある。


kazzpの音楽&映画-hasandwives03
一緒に食事をする約束で彼らのもとを訪れた親友のジャック(シドニー・ポラック)とサリー(ジュディ・デイヴィス)夫妻は、いきなり「私たちは別れることにした」と告白する。これが昨年亡くなったポラック監督が出ていたとは知らないで見ていた私。この親友夫婦、なかなかいい味出してます。


kazzpの音楽&映画-hasandwives04
別居して数週間で、ジャックはエアロビクスのインストラクターであるサム(リセット・アンソニー)と恋仲になる。


kazzpの音楽&映画-hasandwives06
妻のサリーは夫の行動が許せないが、ジュディの紹介で彼女の勤務先のマイケル(リーアム・ニーソンと付き合うようになる。今度は元夫のジャックが面白くない。結局この夫婦はよりを戻すのだが、そうなるまでの心理が皮肉っぽく描かれる。


kazzpの音楽&映画-hasandwives05
親友夫婦がそれぞれ恋人を作ったことで後押しされたかのように、ゲイブも教え子の女子学生レイン(ジュリエット・ルイス)に恋心を抱く。が、良心がとがめて、それ以上踏み込めない。が、妻のジュディはサリーに振られたマイケルとくっつき、ついには結婚してしまう、というオチがつく。


ハンディビデオを回しているような映像、登場人物やその関係者にインタビュー形式で心情や人間関係を吐露させる進行など、日本の幼稚な恋愛ドラマにはない独特の雰囲気の中で、長年連れ添った夫婦の不安、男女の機微や不思議で脆い関係をあぶりだす。


そういえば、私たち夫婦も結婚25年である。脆いかどうかなんて、考えないようにしよう。