本日の朝日新聞朝刊に「酒依存自殺の危険信号」の見出しで、アルコール依存に関する大特集が組まれています。
アルコール依存については、以前から非常に興味を持っております。このブログでも今年の8月18日に取り上げました。
http://ameblo.jp/kazzmaeda/page-2.html#main
やはり記事を書かれた岡崎朋子記者も関心があったのですね。ちょっとうれしくなりました。

私はちょっと視点を変えて、「大酒飲み=アルコール依存症か?」

私もお酒は大好きです。両親から、「お前は血筋からして酒は飲めるはずだから、大人になるまでは絶対飲むな。」と言われ、高校卒業まで1滴も飲みませんでした。(当然と言えば、当然ですね)
そのお陰か、大学ではたっぷり飲むことができました。
世の中には、一晩にお酒を1升どころか1斗飲んでも平気な方がいると言われます。「1斗飲む人=アルコール依存」でしょうか。これは違うそうです。アルコールに強いのと、アルコールに依存するのとは根本的に違うのです。どれだけ飲む人でも、普段の生活ではお酒を飲まない、一切体内に入っていなくても普通に過ごせる方は依存ではないのだそうです。
逆に毎回少しの量(たとえばワイン1杯)であっても、アルコールが体内に入っていないと普通でいられない人も居ます。キッチンドランカーがその例ですね。そういう方は量に関係なく依存の可能性があるのです。

このような話を聞くと、お酒好きの私はうれしくなります。最近飲まない日を増やしており、昨年はなんと200日以上休肝日を取りました。しかし産業医の先生や保健師さんからクギを指されます。
「1回あたりたくさん飲んでいたら、依存はなくとも肝機能には問題ですよ。」

簡単にはいかないものですね。




今月初めにあったEAPA総会の2日目のキーノートスピーチで、米国のPTSD事情が報告されたことは先日報告しました。
もう少し、皆様に興味を持ってもらえそうな話がありましたので、今日はそれをお伝えします。

PTSDは米国でも、大きな話題になっています。PTSDが世間でも注目されるようになったのは、1995年のオクラホマシティの連邦政府ビル爆破事件からです。168名もの方が亡くなり、800名以上が負傷しました。この時、事件に遭遇した人々、家族や身近な方をこの事件で失った人々の中に、事件から半年以上経っても強い不安やフラッシュバックに襲われるといった症状が見られ、様々な形で研究も進みました。

その中で、PTSDの症状を訴える方々の半数以上が、この事件の前から何らかの精神的な疾患や不調を持っていた方であったようです。その方々は改善にもかなり長い時間を要しているとのこと。

また911でも同じことが起こっていたそうです。6ヶ月経っても精神的不調が続いた人達、つまりPTSDを訴える人達の多くは、やはり以前から何らかの精神的な疾患や不調を持っていた方々だった由。つまり911が原因で再発、再燃したた方が多かったとの解釈もできます。

この講演の後、ある米国人のCISM(突発事件、事故直後のメンタル面の対処)の専門家がこう話してくれました。
「自殺者の出た職場にCISMのために駆けつけても、レジリエンスの高い職場だと、『専門家のサポートは必要ないよ。自分達で対応できるから』と言われるんですよ。実際、それで全くPTSDはじめ何の問題も起こりません。」

先日も書きましたが、911の際も事件に遭遇した、至近に居た方々の65%はPTSDにならなかった、その理由のひとつが個人や組織のレジリエンスの高さではないか、と言われているのとも合致します。
チリの鉱山陥没事故で33名が69日間も無事に居られたのも、レジリエンスの高さが理由では?という記事も米国では出てきています。

レジリエンス(英語の発音だとアとエの間の音で、レジリアンスと聞こえます)研究はこれから進むことでしょう。

話は変わりますが、米国でも、周囲のちょっとした一言でPTSDになった云々と訴える方々がいらっしゃるようです。しかし演者ははっきりと言い切っています。
「PTSDはそんなものじゃなりません。」

わが国でも、精神的な疾患による労災申請は増えていても、認定件数は逆に減っているのは、お役所もこのあたりをよくご存知になったからでしょう。














最近、経験の深い精神科の先生方とお話すると感じるのが、相手の話を「肯定」することの大切さです。

よく、「相手の話を傾聴しなさい」とか「相手を認めなさい」といいますが、これだけでは大きな効果は得られません。相手の心を開くことも、こちらの話を聞いてもらうことも苦労します。

人に「肯定」してもらう、それをしていただけるだけで、人は安心します。どんな小さな事柄でも、相手の言葉を使って、「~なんて、すばらしいですね」「~するのは、いいなあと思います」といったことを伝える、その際には勝手な憶測はつけない、という点は十分留意しなければなりません。

たとえ非常に自己否定的になっていても、その中の何かの行動、言葉を見つけて「肯定」すると、そこからその方との関係性を築いたり、深めたりするきっかけになります。

これまで、ただ話を丁寧に聞くこと、自分の言葉で相手の話にお返しし、認めることが重要と思っていました。それはある精神科の先生によれば、手術でメスを使って開いただけの状態と同じで、本当の対応は始まっていない、相手を「肯定」することで治療をし、開いた口を閉じるものだ、と改めて認識しました。

ただ、経営者や管理職は、仕事上、相手を叱ったり、否定しなければならないことも多々あります。そんな時、ちょっと角度を変えて相手を「肯定」する、そうすると今まで、どうしても開いてもらえなかった心が開くのです。

経験の深い精神科の先生方の3分診療になぜ多くの患者さんが集まるのか。それは薬をいただく為だけではありません。先生のちょっとした「肯定」の言葉、それが一番の治療になっているからではないでしょうか。



昨日(10月15日)は発達障害に関するワークショップを企業の人事・総務向けに行いました。毎回、金曜日の夜にも関わらず、満席になるほどお集まりいただき、感謝しております。

企業において課題となる発達障害は、アスペルガー症候群です。
アスペルガーは自閉症の一種で、高次機能を持ち(知的障害がないという意味)、言語に問題のない状況をアスペルガー症候群と呼びます。

アスペルガーであったのでは?といわれるのは、アインシュタイン、ベートーベン、織田信長といった偉人や、自ら告白したビルゲイツがいる為、アスペルガー=天才というイメージを持つ人もいるようです。実際には知能指数とアスペルガーとは無関係で、知能指数の高い人もいれば、普通の人もいるのです。
自閉症の一種ということは、今のところ根本的な治癒は難しく、認知療法も効果は望めず、対症療法しかないのが現実です。似たような症状を示す疾患は統合失調症です。その違いはいつからその状態になっているか、いわゆる生育歴を確認することでわかります。

アスペルガーの人は本人が好きな作業なら同じ作業をずっとできる、記憶を画像的に捉える為、かなり詳細に記憶することができる、といった特徴もあるため、それに適った仕事と、根気強く丁寧につきあってあげられる上司がいると対応することもできます。しかし、多くは仕事や周囲がそこまで揃うケースは簡単にはありません。

今回のワークショップに参加された方々からも、具体的な質問が多く出され、現場でいかに苦労しているか感じました。また大人の発達障害やアスペルガー専門と称するクリニックや専門家の実態も話題に上っており、企業としてもどう対応したらよいか、この疾患の対応は容易ではありません。

今回も、参加された方々から大きな拍手をいただき、主催者としても本当によかったと思っています。

次回は追加講演です。11月5日(金)に、大好評の新型うつ、双極Ⅱ型、パーソナリティ障害を比較しながら対応を考える内容で、大野孝浩先生にお話いただきます。


10月6日からの米国出張も、今日で終わりです。
今、シカゴのホテルで、ノーベル賞経済学賞の受賞の様子を観ながら「おまけ」のお話をお伝えします。

1.タンパというところ
総会が開かれたタンパは、フロリダ州。タンパベイレイズが本拠地を置く30万人くらいの都市です。ディズニーワールドで有名なオーランドが近いことからお分かりなるかと思いますが、最高のリゾート地です。ただ繁忙期を過ぎた今は街もあまり人が居ません。ある夜、映画館に行ったところ、広い映画館に観客は私一人。来週から日本でも公開される映画なので決して質が悪いものではないのですが、入場料9ドルで貸切気分、いい経験でした。

2.ホテルのルームナンバー
タンパでの私のルームナンバーは、なんと1313号室でした。ちょっと受付のあんちゃんにやられたかな?とも思いましたが、私の妻の誕生日が13日なので、家族の中では13はラッキーナンバーです。それがダブルで!
ある朝、朝食会場に入る時、ホテルのマネジャーにルームナンバーを確認され、1313と告げると、「よかったわね~。ラッキーナンバーで!」と、うまい返事。客もこう言われると悪い気はしませんね。

3.飛行機の時間
今回はニューヨークからタンパへの国内便の出発が2時間以上遅れました。それなのに全く会社側はお詫びなし。乗客もそんなものだ、という顔をしており、これもびっくりしました。日本だと5分の遅れでも、「お忙しい中、申し訳ありません」との放送が何度も流れるのに。逆に日本の正確さを改めて確認した次第です。

4.脳の模型
総会中に一度だけ製薬会社主催のランチョンミーティングがありました。
アルコール依存症の薬を紹介。それはそれでよかったのですが、お土産が脳の模型。15cmくらいの大きさがあり、かばんの中でもちょっと場所を取りすぎるなあ、と思っていました。タンパからシカゴでの国内線の手荷物検査でやっぱり引っかかってしまいました。かばんの中に手投げ弾みたいなものが入っていないか?と聞かれ、「まさか?」と思いながら、そう言えば「これ?」と脳の模型を出して見せると、「笑い!」で無事通過となりました。
出席者は皆、空港で苦労したと思います。その前に皆捨てたのかも?

5.シカゴマラソン
帰国の為、タンパからシカゴへ移動し、1泊しました。ちょうどシカゴマラソンの日でした。街中に参加者が参加賞のメダルをぶら下げて歩いています。彼等はスマート。超肥満の多い米国人とは思えません。
夜、レストランにも何組もまだ参加賞を首にかけたグループがいました。それほど誇りなんですね。
紅葉が始まり、秋を感じさせるシカゴ。今年の10月10日は10年10月10日で、トリプル10。天気もよく本当によい「体育の日」でした。

おまけのおまけ
11日、日本へのフライトの為、シカゴ空港へ行くと、手荷物検査でまた脳の模型が引っかかりました。今回は最初から出しておいたにも関わらず、「何、これは?」「脳みその模型ですよ。」「誰の脳みその模型なんだろう?」(笑)といった会話まで拡がりました。

私の次の人も引っかかっりました。そうするとシカゴマラソンの参加賞。思わず検査官が皆で拍手!!これまた周りまでうれしくなるエピソードでした。














国際EAP協会の総会報告、最終日の様子をお伝えします。

その前に前夜のInternational Memberの夕食会から。
国際メンバーといっても、多くはカナダです。そして欧州、アジア、豪州、カリブ海諸国。
私のテーブルで一緒にお話した3名の方々は、2人がカナダ、1人はこういう機会じゃないと海外のメンバーと話す機会がないと積極的に参加したミネソタの方でした。40代~60代の女性ばかり。(お子さんやお孫さんの話になったので大体年齢がわかりました)
いずれも地方都市に住む普通の方々でしたが、彼女等が共通して話していたのが、若い世代(10代、20代前半)の様子です。自分で判断ができない、他者を尊敬しない、やる気があるのかどうか・・・これは日本で語られている若者像と全く同じです。「日本はこんなことないでしょう?」と聞かれ、「日本も同じですよ。最近は自ら「うつ」という人達が増えているんですよ」と答えると、「へ~っ」といった感じでした。


さて、9日最終日。朝1番に出たセッションは、ディスチミアへの対応の話。
米国にはメンタル不調の方々を預かったり、専門的に対応する施設が多くあります。そんな施設を運営する方(といってもしっかりPhDを持つ)から報告でした。
ディスチミアは自殺しないからあまり怖くない。ただ幸福感やQOLが非常に低い為、他の疾患と併発すると、例えばアルコール依存症との併発は通常の4倍以上治療に時間がかかること、まずディスチミアへの対応を進めること、との話をされていました。
そこで効果が高い方法として、スピリチュアルな気持を持たせるのも一つの方法だとか。これはキリストの存在を信じなさい、とかあなたの守護霊と信じなさい、いうのではありません。「神様はいつもあなたを見守ってくれているよ」といった程度の信心でも、将来に対して希望が持てるようになるといったことでした。
だから宗教とスピリチュアルとは違う概念とのこと。これは正月には初詣に行き、クリスマスもお祝いし、法事にはお坊さんを呼ぶ日本人には受け入れやすい話です。ただスピリチュアルの話が始まると多くの参加者が席を立ったのも事実です。日本語のスピリチュアルという言葉もかなり怪しい意味になっていますが(笑)。

その次のセッションは、FreeEAPの話。
数年前から無料でEAPを提供する会社が出てきていて、それがかなり大きくなりつつあるようです。
米国のEAPはかなり充実していて、そこそこの利用率(5~10%)もあり、企業のROIへの貢献もあると評価されています。しかし昨今の景気後退の状況では、コスト削減が企業では叫ばれ、EAPにかけるコスト、特に初期コストや基本契約分をどう削るか、といった状態になっているようです。その為、相場は社員1人あたり月額1.4~2ドル程度、場合によってはセントの単位にまで下がっているとのこと。ここ数年言われているカウンセリングのコモデティ化です。

そこで、出てきたのが本当に何が必要なのか、いらないものは全て省いてついでに価格まで「Free(無料)」にしたEAPです。会場からは、品質の問題が問われていましたが、「選択は市場がすること」と言い切る演者。さすが米国、市場経済です。改めてインターネットで調べてみると、実際には保険や他の高額なプログラムのおまけとして付けるビジネスモデルが伸びているようです。プロバイダー(EAP専門家)側も、小さなところはこれまでの有料EAPだけでなく、FreeEAP提供会社との契約もやるプロバイダーが出ているそうで、市場に根付きつつあるようです。

これを日本に置き換えるとどうか?
日本は実はFreeEAPに近いモデルに動いてきていると思います。
外部のEAP専門家(相談機関)の多くががスキルを高め、成熟する前に、情報の非対称性をうまく利用して企業契約を取ってきたのが実情です。結局それでは利用率も低迷し、休職・復職も職場に早期に戻してもまた再燃・再発させてしまう、といった悪循環に陥っています。

またわが国は産業保健体制の仕組みがあり、この仕組みをしっかりと作り上げる限りは、社内に一種のFreeEAPも作れる、またどうしても外部を使いたいなら、政府が作りつつある無料で本当に良質な相談機関がいくらでもある。(またその利用率がとても低くて、今は簡単に利用が可能) 
その上精神科クリニックでは心理職のカウンセリングよりも自己負担の少ない金額で、経験の深い医師が対応してくれる。(たとえ3分診療といわれても、対応してきたクライアントの数と、薬を使える効果は偉大です)
また企業の安全配慮義務を厳しく謳うわが国の風土では、提供側の品質は非常に大きな問題です。

私が大学院で学んだのは、医療経済です。医療経済は市場至上主義とは簡単には相容れないものです。その為、米国以外では市場経済と一線を画した制度設計になっています。
このFreeEAPのコンセプトは、わが国なりのやり方を見出していくと、メンタルヘルス対策において、大きなパラダイムシフトを引き起こす予感がします。
第2日目の様子を紹介します。

朝一番で、新たにCEAP(EAPの専門資格)を取った人達の紹介がありました。一人一人舞台に上がり、協会の幹部あら記念品をもらいます。日本からは今年11人も資格取得したということで、日本EAPコンサルティング普及協会の会長も務める市川さんが11人に代わり、記念品をいただいていました。EAPAの会長からは、米国以外で一番CEAPが多いのは日本との紹介もありました。これも市川さんはじめ、普及協会の皆さんの努力の賜物でしょう。

さて、2日目もキーノートスピーチから。
今日は、米国関連の様々な大規模な災害で活躍している精神科医から、PTSD等の精神疾患について、データを使った講演がありました。先生は、オクラホマの爆破事件、ナイロビの米国大使館事件、911はじめ、大規模な災害の度に専門家として招集されるとともに、その後学術的な分析を行っているそうです。
先生の話では、PTSDも、911の前と後では様相がかなり変わったとのこと。また災害により精神的な不調を訴える人達の中の元々精神疾患もしくはその傾向を持っていた人の割合が非常に高く、彼等はある程度時間が経過しても、不調が続くことが報告されました。
911後は、直接災害に直面したり、近親者が災害に巻き込まれてしまったりしていないのに、TVを観て等で不調を訴える人が増えたそうです。ただ彼等は半年も経つとかなりは不調がなくっているとのこと。
また興味深かったのは、911に遭遇したのに、65%は全く不調が出ていないとの報告もありました。ひとつの理由にレジリアンスも関係しているようです。
不調を訴えた人達からは、できる限り早期の専門家による対応がよかったとの評価がかなりあったとのことで、早期対応の重要性を改めて確認しました。

あわせて、ちょっとしたことで、PTSDだと訴える人が米国にも多いが、それはPTSDではない、よほどの災害に接しない限りPTSDにはならない、とはっきり言っていました。このあたりもわが国と同じですね。

そろそろ第3日目のセッションが始まりますので、昨日の3つのセッション、ランチセッション、インターナショナルディナーはまた報告します。













国際EAP協会(EAPA)2010年総会の様子を続けます。

先ほど、今日のセッションは全て終わりました。
基調講演の後は、分科会になります。
5つほどの部屋に分かれてのセッションです。

最初に出席したのは、「School Assistance Program(SAP)」の話です。
リーマンショック後の米国の景気後退はまだ続いているようです。
その中で確実に伸びているのが、SAP。
これはスクールカウンセラーや学生相談室とは別のプログラムです。
大学の通信教育やインターネットスクールの学生(これらをnon-traditional studentを呼ぶ)を対象にしています。最近かなり増えてきているようです。彼等は年齢もバラバラです。高校を出てそのまま入った人もいれば、定年退職した人もいる。どうしてもいろいろな理由から退学しやすい。米国でも卒業まで至るのは50%程度とのこと。中退させずに卒業まで支援しようというのがSAPです。学生にとっては、中退は中途半端で報酬も増えないし、新しい仕事に就けるわけでもない。学校にとっては中退後は学費収入を取れず収入減になる。だから卒業まで支援するのは、学生、学校双方にプラスになるのです。学生の問題は、多くは就学中の収入、家族(主に子供の世話)、卒業後の就職とのこと。ほとんどは電話かE-mailによる対応。それは対象が全米、場合によっては海外に及ぶ為、直接面談は難しいのが理由です。
会場からの質問は、もしメンタルの不調をどう把握するのか、把握したらどう対応するか、どう次につないでいるのか、に集中しました。やはりEAPです。SAPは次につないでいくことを前提に対応しているとのこと。それもひとつの方法ですね。

またこのプログラムが成功する条件のひとつが、大学の別のプログラム、学生相談室等と事前に十分相談してこれまでの同校の学生の特徴を把握するとともに、お互いの棲み分けを明確にすることのようです。
このあたりも興味深いところです。

次は、エンゲージメントとマネジャーの話。
エンゲージメントを高めるには、エンゲージメントとワーカホリックの違いは、といったことが語られていました。
多くの人はワーカホリックとエンゲージメントの概念を一緒にしているとのこと。しかしなぜ今、EAPがエンゲージメントを業務の中で実施するのか。それは米国の景気後退のお陰でほとんどの企業では人事関連の研修はかなり削られてしまっており、EAPがやらなければ誰もやれないから、とのこと。

講演者は、エンゲージメントはビジネススクールでは従来から研究されてきたことで、この分野のプロはいくらでもいます。いくらEAPでも彼等と同等にできるわけではない。その為、やれるところからと云っていました。

ただ会場の反応は2つに分かれました。携帯ばかり気にしている人、終わった後も講演者に集まってくるほどの人。これもおもしろいものです。

今日はもうひとつROIとEAPの関係のセッションも出たかったのですが、そのセッションの前に一度ホテルに戻ったらそのまま寝てしまいました。時差と昨日までの長旅、今回出席する為に連日残業をしたせいかもしれません。

また明日も報告します。











今、タンパに来ています。
フロリダ州にあります。オーランドの隣です。

成田を6日朝に発ち、直行便はなく、ニューヨークで乗り換えて入りました。
乗り換えの時間をちょっと長めに取り、マッハッタンを歩いてきました。

4~5年ぶりの米国入りですが、まず感じたのは中文の多さ。ホテルチェーンのホームページには日本語ページはなくとも、中文ページはあります。
空港でも、中国語だけ入国手順説明ビデオが流れていました。街でも日本人かなという人とすれ違っても、多くは中国語かハングルをしゃべっていました。

ただ、寿司はすごいブームですね。
ニューヨークは、「Go Sushi」というファストフードのお店もあり、大勢の人でにぎわっていました。
タンパでも国際EAP協会も総会参加者に地元のお奨めの店3店を紹介していますが、そのうちのひとつが寿司レストランです。
しかし、ニューヨークに居る友人によれば、Sushiが日本食だと知らない米国人もかなり居るとのこと。やはり日本の影は薄くなっているようです。

さて、EAP総会はどんな感じか、今日午前中の開会のキーノート講演の内容から9日(土)の終了までこれから何回かに分けて皆さんにご紹介致します。

では、キーノート講演の前の様子から。
働く米国人は基本的に早起きです。総会は8時半からスタート。
朝早くから多くの人が参加(私が見る限り400人くらいか?)。 ほとんどは米国やカナダのEAP従事者ですが、今は40カ国に及ぶ各国支部のメンバーも居るようです。

講演は、米国心理学会(APA)の先生。この方はMBAを持つ心理学博士。
米国の景気後退が厳しく、いかに職場のストレスの問題が大きくなっているかを説明。APAの調査では、米国の勤労者で強くストレスを感じている人はなんと80%以上。APAの試算ではストレスによる生産性の低下のせいで、米国が蒙る損失は、年間$300B以上とのこと。やはり桁が違います。
組織がどれだけ話しやすく、従業員も経営者も組織の為にという気持を持ち、ひとつになるのが重要かを説明していました。
ストレス対策や健康支援対策を行ってもそれは単なるプログラムであり、組織の収益に貢献するのは、組織の文化の方がはるかに勝る。だからEAPも自分だけで、ショートカウンセリングやアルコール依存症対策だけにこもらないこと。
組織文化の改善や文化の伝承の支援にも、いくらでもEAPが引っ張っていく機会があるんだから、と説いていました。EAPであるあなた方自身がと視野が狭くなっているいうのが結論でした。

日本のEAPと同じような状況ですね。EAP従事者も、視界を広くしなければ生き残っていけるかどうかわかりません。

そろそろ午後のセッションが始まります。また後ほど。報告します。






















今年もワークショップロブを企業の人事・総務の方々、産業保健スタッフの方々等対象に開いています。
9月は10日(金)18時~の予定で、統合失調症について精神科医で労働衛生コンサルタント、産業医でもある大野孝浩先生にお話いただきます。
紹介ページ
http://www.lov.co.jp/wsl/index.html

昨日、その事前打合せを大野先生とさせていただきました。
昨年も同じテーマでお話いただいたのですが、今年はさらに内容を整理されると同時に企業が為すべき対応が丁寧にまとめられています。

重要な概念として紹介されるのが、「レジリエンス」です。個人の回復力、復元力をどう培っていくか。この点については、統合失調症の方だけでなく、一般の若手社員にも十分活用できそうな概念としてお話いただけそうです。

このような内容のせいか、すぐに定員(限定10社・グループ)に達してしまいました。ワークショップロブの講演録は、ご講演いただいている大野孝浩先生のお陰で、多くの皆様にご興味をお持ちいただけそうです。

いつか皆さんにご紹介できる機会があればと思っています。