TPPへの交渉参加が現実的となり始めて以来、TPPについて熱い議論が交わされています。日本がこれから参加する可能性が高くなりつつあるこの制度について、皆さんの間でも賛成・反対とそれぞれ意見があることでしょう。
このTPPですが、議論の俎上に上げられる場合、「自由貿易を促進するための制度」であるという方向で語られる場面をよく見かけます。TPPに参加すると関税が原則撤廃され、完全なる自由貿易が実現されると言われます。マスコミでの賛成派・反対派の意見も、この自由貿易に賛成か否かによって分かれているようにも見受けられます。
ここで一度立ち止まって考えてみていただきたいことは「そもそも日本の貿易は自由貿易になっていなかったのか?」ということです。自由貿易促進というニュアンスのある制度への加入を検討しているのだから、当然まだ自由貿易にはなっていないのだろうという消去法的な判断をつい下してしまいがちです。日本という国は、一昔前には護送船団方式とまで呼ばれた保護的な制度を行なっていましたから、なんとなく日本の制度は保守的であるというイメージが相場となっています。果たして日本の貿易事情においても、それは本当なのでしょうか。
実は日本の関税率というのは世界的に見ても十分低い部類に抑えられており、世間一般で叫ばれているほどの保護的な方針は取られていません。コメといったごく一部の品目に限り、日本の関税の中では比較的高い関税がかけられており、その点が一人歩きして「日本の関税は高い」というイメージにつながったものと思われます。日本は現時点で十分に自由貿易に近い状況を実現しており、TPPに加入することで得られる利益は限定的だとの冷静な意見も出されています。国益に関する重大な決定ですから、先入観やイメージに惑わされず、地に足がついた議論を行ないましょう。
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