ルーツを辿る ** 後編 ** @下関市今浦町・伊崎町界隈 |   + Mother Lake +

  + Mother Lake +

著作権は放棄していません。写真の無断引用はおやめください。

+ + + Mother Lake + + + 

狛犬さんが港の景色を眺めております。眼下に広がるのは下関漁港です。
しかし、やけにつるっとした狛犬さんですな。狛犬には出雲....あ、また....ゴホゴホゴホ

さて、前編を更新してから2週間も経ってしまいました。笑 私のルーツを辿る下関街歩き、後編です。
実を言うと危うく忘れるところでした....ゴホゴホゴホ。
ちなみに前編はこちら→★★★  もう一度おさらいしたい方はどうぞ☆

+ + + Mother Lake + + + 

さて、片江ビル跡地を見下ろす高台に神社の鳥居が見えております。
周辺の景色が一望にできそうなので汗だく覚悟で上ってみることにしました。この石段で萎えそうですが。笑
鳥居には「厳島神社」の文字が!!!まさか下関と宮島で厳島神社のハシゴをすることになろうとはね。

まったく人気のない神社の境内から下関の街の眺め。
時折海のほうから風が吹いてきて、少しだけ汗でほてった身体を覚ましてくれます。
ここは厳島神社でしたが、境内には朱の鳥居まであります。その朱の鳥居越しに見る下関の街。

+ + + Mother Lake + + + 

右手が下関漁港、左手に海峡夢タワーが見えます。
片江ビルの跡地に建った7階建てマンションはちょうど鳥居の左横、タワーの右手前に。
鳥居の右横に緑色の下関大丸の看板が見えています。私が住んでいた40年前はもっと右手の港のすぐ脇にあったそうですよ。
手前の古い家が立ち並ぶ一帯が伊崎町、片江の人たちは主にこの界隈に住んでいました。

では、石段を下りて.....え??
上ってきた石段とは反対側の石段を下りていくと....朱の鳥居には「鈴ヶ森稲荷神社」。

+ + + Mother Lake + + + 

ひとつの境内に厳島神社と稲荷神社???あとで調べてみるとここはお旅所の1つのようでした。
ここから300mほど離れた国道の向こう側、新地町に長門国厳島神社があります。
平家の信仰していた安芸の厳島神社が分社され、終焉の地壇ノ浦に程近いここに奉られたのだそうです。

石段の途中には伏見稲荷大社を思わせる朱の千本鳥居....もとい6本しかないですな。笑
庭先の花をパチリ....まるで当時からあるような雰囲気だったので何か懐かしくなります。
しかし、もっと懐かしくなるところがありました。

+ + + Mother Lake + + + 

こちらは利慶寺、片江ビルから歩いて数分のところ。
そして、利慶寺境内と園庭を兼ねた慈光保育園、樹齢数百年はありそうなイチョウの巨木がそびえています。

母からよく聞かされたのは、ここの保育園のお兄ちゃん、お姉ちゃんたちとよく遊んでもらったと。
散歩がてらにここまで毎日のようにきて遊んでもらってたんだそうです。ちなみに入園してませんが。笑
そういえば下関出身の同級生は多いはずですが、そのころからの友達っていませんな。

+ + + Mother Lake + + + 

記憶のはるかかなた、しかしあまりにも長い歳月で何も思い出せません。
でもこの古いイチョウの木は、当時からここで遊ぶ子供たちを見守ってきたはず....

当時よちよち歩きだった子供が、40過ぎのおっさんになって帰ってきたことに気づいているでしょうか?爆
しかしでかい木ですね。木というよりも塊のようですな。樹齢何百年という古木には魂が宿るとか.....?
イチョウの大木を見上げながらそんな思いにしばしふけっておりました。

+ + + Mother Lake + + + 

この利慶寺から先は車がやっと通れるぐらいの細い路地。
Kさんによると、建替えられた家もあるものの40年間ほとんど変わらない風景だと教えてもらいました。
ほとんど人通りのない路地は当時の記憶を呼び覚ましてくれそうな気がします。と、Kさんの呼ぶ声が。

「Kazzさーん、こっちこっち。」

この路地と交わるさらに細い、人一人がやっと通れるほどの路地へ案内されます。

+ + + Mother Lake + + + 

2階の手摺の格子が印象的な如何にも古い建物....え?これ??
この家、親父が独身時代に下宿していた家だそうです。なんと築100年以上!!
正確には、親父と親父の2人の兄夫婦が2軒の家で暮らして....え??親父は完全に居候だったの??
1軒はちょうど向かい側、現在の利慶寺の駐車場でもう1軒はこの建物だそうです。

1階部分は何度か改修しているものの2階部分は当時のまま。
40年前どころかそのはるか昔からそう変わらないたたずまいをこの界隈は残しているんだそうです。

+ + + Mother Lake + + + 

いやいや、私が生まれる前の親父の1人暮らしの痕跡が見られるとは....私のルーツめっちゃ辿ってます。笑
しかも、居候同然だったという新事実まで。爆
4年前に来たとき、母に電話で聞きながら捜し歩きましたが、結局わからずじまいだったこの建物、ようやく見つか
りました。わが家の重要文化財にしてもいいですな。

Kさんも今は郊外に住んでいて、ここにはたまにしか来ないそうですが、未だに現役の借家だそうです。
と....1人の年配の女性が挨拶されました。 この人は???
以前から伊崎町界隈にお住まいだそうで、Kさんと出会うのも10数年ぶりだそうです。

+ + + Mother Lake + + + 

私がここに来た理由をお話しすると....なんとこの女性の亡きご主人は片江船団の乗組員だったと。
もうびっくりです!!おまけにご主人は菅浦(片江の2kmほど西側の隣の集落)のご出身だと。
女性は下関の出身だそうですが、ここを尋ねてきた片江の人に会うのは本当に久しぶりだと驚いておられました。

わずかな時間の間に時を越えていろんなことに出会えるもんですね。
すべては、7月の里帰りのときに親父の口をついて出てきた一言.....に始まったんですな。

+ + + Mother Lake + + + 

「下関行くなら、Kさんに会ってきてごせ。」

ご、ごせって....爆 ニュアンスはお分かりいただけますよね。笑
この後郊外のKさんの家におじゃま....大家さんの奥さんであるKさんの母上(88歳)にもお目にかかりました。
認知症のため過去の記憶ははっきりしているのですが、今のことはすぐに忘れてしまうそうです。

「片江の○○さんの息子さんが滋賀から会いに来てくれちゃったよ。」

「あー、片江の○○さんの息子さんかね?? でも似とらんねー。」

「え??○○の顔、覚えてるんですか??」

「いや、覚えとらん。覚えとらんけど、あんたとは似とらんわねー。」

「わはははは.....ゴホゴホゴホゴホ」

+ + + Mother Lake + + + 

当時親父は21歳ぐらい....
親父の写真を見せてもこんなじゃなかったと...そりゃそうだ。少なくとも髪の毛はふさふさだったもん。爆

それに今の私より若いし船乗りで体格もいい、おまけに180cmを超える大男だもん。笑
今の記憶は右から左へとなってしまったKさんの母上、こんなやり取りがこのあと10数回。
おかしいやら、時の流れの無常さに頬を伝う涙が止まらなくなるやら....ああ、40余年はやっぱり長いなぁ。

+ + + Mother Lake + + + 

1時間あまりお宅におじゃました後にいよいよお別れ....
その場で親父に電話したら、今度9月に親父もおじゃますることに決まってしまった。早っ
だったら早く来いよ。まったくもう。

私もまたきっと来よう、私のルーツ下関。
またそのときまで伊崎町界隈の町並みが残っているといいですね。
まぁ、この4年の間に思いがけず3度も来訪しましたので、きっとまた機会は訪れるでしょう。

+ + + Mother Lake + + + 

おっと、忘れてはいけません、下関のマンホール....ふくです。かわいい♪感傷に浸ってもこれだけは別。笑
ふくの特徴をよくとらえてます....へたなご当地キャラクターよりずっとかわいい。
そして、次回来るときはきっとまた鍋にふく刺し、から揚げに白子などなどふく三昧で!!笑

では、ルーツを辿る山陽の旅はこれにておしまい、おしまい。
長らくのお付き合いありがとさんです。