photo by IXY DIGITAL1000
自他共に認める蕎麦好きですが.....今まで本場の出雲蕎麦の記事って案外ないもんですね。
ちなみに島根のお蕎麦屋さんの記事は奥出雲の「一風庵」さんの記事が2回だけ。
この一風庵さん、片江の長寿寺の和尚も絶賛しております。笑
奥出雲 「純そば一風庵」さんの記事はコチラ→★★★
しかし....いろいろ予定が立て込んでおりまして、中国山地の山懐まで出かける時間もなく...
そこで、松江市内にある「中国山地蕎麦工房ふなつ」さんに出かけてみました。
気分だけ中国山地....ではありません。こちらはボクのおススメの出雲蕎麦の名店です。
お城の北側にあるふなつさん、藩主の菩提寺である月照寺の近くにある小さなお店。
お昼前だと言うのにすでに行列が...入口横では黙々とお蕎麦を打つご主人...
うううう、早く食いて-。
この連休中はどこに行っても多くの人出でしたが、やはり「だんだん」効果なんでしょうか??
蕎麦職人にシジミ漁師というあまりにもベタな設定でしたもんね。笑
さてさて、20分ほど待ってようやく席に通していただけました。
やっぱり本場の出雲蕎麦をいただくなら名物割り子蕎麦、鴨ざるなんか食べていてはいけません。
と....ボク以外は鴨ざる注文しやがりました。笑
出雲蕎麦といえば甘皮ごと挽いた黒っぽいお蕎麦なのですが、この鴨ざるは白っぽい。
お蕎麦によって使う蕎麦粉を変えているようです。手間のかかることですな。
しかし....出雲蕎麦以外では鴨ざるをいただくことも多いボク....これも美味そう!!
鴨肉から染み出た脂のギラつき感がたまりませんな。
さて、ボクはもちろん割り子蕎麦です。
出雲蕎麦は割り子を食べなければ始まりません。
女将さんもやっぱり割り子を食べていただきたいとおっしゃってました。そんな自慢の逸品。
ふなつさんの蕎麦粉は、奥出雲の契約農家から仕入れた蕎麦を石臼で自家製粉しています。
もちろん手打ち、しかも蕎麦粉100%の十割蕎麦。
蕎麦打ちに使う水は湧き水を4℃に冷やした冷水でというこだわりよう。
店内には、本日の蕎麦の生産者の方の写真と蕎麦粉の素性が掲げられています。
この日はこの方、奥出雲町の小林さん。玉太り大・粒揃いA、いい蕎麦に違いありません。
そして....待つことしばし。
出ました!!これぞ出雲蕎麦!というべき黒っぽいお蕎麦。
十割蕎麦特有の表面のざらつき感まできっちりとらえています。
もちろん、挽きぐるみのお蕎麦ならではの黒い粒々も.....コンデジもまだまだいけますな。
メニューでは割り子3枚となっていますが....そこは蕎麦好き、5枚でお願いしました☆
ちなみに.....「わりこ」ではありません、「わりご」です。
わんこ蕎麦でもありませぬ....お間違いなきよう。笑
最初は薬味なしで、蕎麦そのものの芳しい香りと味を楽しみます。
あ-、やっぱりお蕎麦は出雲蕎麦♪ この挽きぐるみならではの風味の強さが出雲蕎麦の特徴。
これと比べるとやっぱり他所のお蕎麦はものたりませんな.....
出雲蕎麦という名前ではありますが、実は出雲蕎麦の本場はここ松江。
江戸時代の松江の殿様は、参勤交代中のお江戸では出雲様と呼ばれておりました。
松江藩は豊臣秀吉の家臣、堀尾吉晴公に始まる堀尾家2代、2代将軍秀忠の娘婿、京極忠高の京極家1代と続
き、1638年には信州松本より、徳川家康の孫にあたる松平出羽守直政公が入府します。
信州松本から連れてきた蕎麦職人と、信州から持ち込んだ蕎麦を冷涼な奥出雲で栽培させたことが今日の出雲
蕎麦の始まりといわれます。つまり出雲蕎麦というのは、出雲国蕎麦というわけ。
初代松平直政公が出雲蕎麦誕生に大きな役割を果たしておりました。
ちなみに..不昧公として知られる七代治郷公は、蕎麦好きが高じてお江戸では食べ歩きをしていたとか。
「不昧夜話」という落語まであるそうです。
上の写真は国宝松本城。(ここでこの写真を使うとは思いませんでした。爆)
向かって左側の辰巳付櫓と朱塗りの欄干の月見櫓は直政公が松本藩主の頃増築したものとされています。
黒板張の天守閣が松江城に似ていて大好きなお城です。
松本城については、ブログテーマ「松本城と信州蕎麦の旅」→★★★
もご覧下さい。笑)
〆の蕎麦湯はとろとろのポタージュ系.....いやいや食った食った。
割り子あと3枚はいけそうです。
ふなつさん、ごちそうさまでした。
また松江に帰ってきたらおじゃまさせてもらいます.....しかしドラマの力は偉大ですな。
2時間ほどあとに再び前を通りかかりましたが....すごい行列!!
行かれる際は早い時間帯がオススメです。
■中国山地蕎麦工房 ふなつ
島根県松江市外中原町117-6
JR松江駅から一畑バス松江しんじこ温泉駅行き 「交融橋」下車5分
JR松江駅から市営バス北循環線外回り「交融橋」下車5分
一畑電鉄「松江しんじこ温泉」駅 徒歩15分
山陰道「松江中央IC」20分
open.11:00~20:00 月曜日定休日