*今日もお立ち寄りいただきありがとうございます。
今回は、どうしても入院中のことについて書きたくて、投稿しました。
僕はのべ11回、期間にして3年ほど入院生活を送ってきたのですが、忘れられない出来事がありました。
それは、僕の保護室を清掃してくださったパートのヤマケンさんです。
今からもう数年も前のことですから、正確な年は忘れました。
僕は当時保護室で拘束ベルトを巻かれて身動きできない状況でした。
その時、僕の保護室を毎回清掃に来て下さったのが、ヤマケンさんでした。
僕は状態が良くなく、食べ物を投げつけたり、自分のオムツを投げつけたりしました。
その時、ヤマケンさんが「ごめんな、ありがとうな」と言いながら、僕の食べかすや
おむつの中身まで丁寧に掃き掃除してくれました。
僕は状態が良くない中でも申し訳ないことをしたと思い、それからはそのヤマケンさんと
話をするのが1日の楽しみになっていました。
そしてお別れの日、「名前を教えてください」というと「清掃のパートなんで、会社名でヤマケンさんとだけ覚えておいてください」と言われました。
まさしく、「君の名は(昭和版)」です。名乗らずに、去っていきました。
そして数年後、再び今度は任意で入院することになった僕は、廊下でパートのおばちゃん、ヤマケンさんに出会いました。
「あら、まあ、元気そうやな、今度は」と言って笑顔で僕のことを覚えてくれてました。
精神科って、医者や看護師や薬などが病気を治すものだと思われがちですが、僕の場合はこのヤマケンさんによってかなり心が救われました。
心の病気を治すのは、人の温かみ、家族の支え、友だち、みんなです。
僕の場合、どんな薬を飲むよりも、ヤマケンさんが毎日、こっちがお世話になってるのに、
「ありがとうな、今日も掃除させてもらうわな。はよ元気になりや」っていう言葉が薬になりました。
そうして、今度は僕がヤマケンさんにお世話になった分、恩送り(受けた恩をその人自身ではなくまた別の人に送ること)する番だなと思いました。
ヤマケンさんとはもう二度と会えないと思いますが、僕はこの恩を忘れません。
そして、忘れてはいけないのは、病院にはいろんなスタッフさんがいる、ということです。
みんな優しいです。身の回りを世話するケアスタッフさん、ナース、主治医をはじめドクター、薬剤師さん、頼りになるケースワーカーさん、清掃のパートの方。クラークさん、事務の方、会計さん、OTの作業療法士さん、リハビリで僕の脱臼した肩を直してくれた理学療法士さん、などなど。そして患者同士。みんながチームとなって患者を支えているのだと思います。
僕もパートとして医療の現場に受付として障害者雇用されたことがありますが、この患者の気持ちも病院側の気持ちもわかるだろうとのことで採用されました。今はやってませんが。
ドラマ以上にドラマなんです。
今の主治医には感謝してますし、受付のスタッフの方、薬剤師の方、パートの方、みんなが僕の支えです。
あらためてこの場で感謝を述べさせていただきます。
もしこのブログを読んでる医療関係の方がいらっしゃいましたら、辛い時、こういうふうに思っている患者がたくさんいることを思い出して日頃の激務を乗り越えてください。
本当にありがとうございます。
*最後までお読みいただきありがとうございました。